【MLB】 歴史的なシーズンを送っているのはジャッジか大谷か 大谷が投票でジャッジを上回る
日本時間9月8日、MLB公式サイトは「ジャッジと大谷、どちらがより歴史的なシーズンを送っているか?」と題して、9人の記者に対してアンケートを実施。それぞれ両リーグのMVP最右翼であるアーロン・ジャッジ(ヤンキース)と大谷翔平(ドジャース)の大活躍を取り上げている。アンケートの結果、大谷はジャッジの4票を上回る5票を獲得した。(データは全て9月7日時点)。 “大谷派”の意見では、やはり史上初の「50-50(50本塁打50盗塁)」に向かって大谷が邁進していることが挙げられた。アンソニー・カストロビンスは「2人とも並外れたシーズンを送っているが、歴史的という定義の上では大谷だ」と、これまで成し遂げられてこなかった「50-50」を成し遂げようとしている点を高く評価。 さらに過去のデータに詳しい記者のサラ・ラングスは「(大谷を選ぶ)理由は50-50でさえない。盗塁しやすくなるルールができたことは皆知っている。非常に優秀な投手が今やパワーとスピードを両方発揮するシーズンを送っているという事実についてだ」とこれまで二刀流として活躍してきた部分にも着目。同氏によれば、投手として200奪三振、野手として40盗塁を記録した選手は史上5人。さらに本塁打と盗塁でメジャー2位以内に入るのは、ホーナス・ワグナー(1908)とタイ・カッブ(1909)以来の快挙になる。 一方の“ジャッジ派”は、ジャッジが史上有数の打撃成績を残していることを理由に挙げた。アナリストのマイク・ペトリエロは「ジャッジは右打者として史上最高のシーズンを送っている」と、ジャッジの打撃がいかに歴史的に傑出しているかを主張。異なる時代、異なる球場でプレーする選手を比較するときにも使える打撃指標wRC+では、今季のジャッジは史上10番目にランクインする215をマークしている。ジャッジより上にいるのはバリー・ボンズ、ベーブ・ルース、テッド・ウィリアムズ、ミッキー・マントルの4人(全員が左打ち、あるいは両打ち)しかいない。 現在、ジャッジは20試合を残して51本塁打と、60本塁打はまだしも、自身が2022年に作ったア・リーグ本塁打記録62本の更新は難しい状況だ。しかし、それでもジャッジは記録を作った2022年よりも優秀な打撃成績を残している。 今季のジャッジと大谷の成績を、「リーグ最底辺の選手と比較してどれだけチームの勝利数を増やしたか」を示す総合指標WARで比較してみると、これはジャッジに軍配が上がった。『ファングラフス』版ではジャッジの9.6に対して大谷が6.8、『ベースボール・レファレンス』版ではジャッジの9.6に対して大谷が7.2と出ている。つまり「どちらが優れたシーズンを送っているか」という問いならばジャッジという答えが増えるかもしれない。しかし、「どちらがより歴史的なシーズンを送っているか」という問いならば、史上初の「50-50」を他でもないこれまでも二刀流として歴史に名を刻んできた大谷が成し遂げる、というインパクトが大きく作用してくるのかもしれない。