「丸ごと冷凍なら3カ月保存できる!」値上がり野菜をおいしく使い切る冷凍術14
「家計を直撃する野菜の高騰が続いています。なかでも、平年の2倍近くになったキャベツは1玉350~400円、ブロッコリーは1株300円前後ともはや“高級食材”に。 【比較リストあり】1年前からの野菜の卸売価格の変化 暖冬などの異常気象、天候不順、害虫被害などが原因です。 供給量が追いつけば、価格は落ち着きますが、今夏は猛暑も予想されていますので、今後も値が上がる野菜が出てくる可能性はあります」 こう指摘するのは、生活経済ジャーナリストの柏木理佳さんだ。 日々の生活の中では、こうしたキャベツやブロッコリーの高値に目を奪われてしまうが、農林水産省の青果物卸売市場調査を基に、今年と昨年の5月27日の野菜の卸売価格(1キロあたり)を比較してみたところ、にんじんが約164%、きゅうりが約124%、トマトが約138%、にんにくにいたっては約200%になるなど、軒並み値上がりしている 「野菜の値上げは天候不順ばかりでなく、なかなか解決しがたいエネルギー価格や輸送費、人件費の高騰、またアボカドなどの輸入食材などに関しては円安も背景にあります。全般的に高くなっている野菜の価格は、今後も維持されるとみています」(柏木さん) こんなときだからこそ、食卓に欠かせない野菜を上手に保存することが求められると言うのは、『いつでもおいしい冷蔵・冷凍保存術』(コスミック出版)の著者であり、料理研究家で食品保存アドバイザーでもある島本美由紀さんだ。 ■丸ごと冷凍なら3カ月野菜を保存できる 「安いときにまとめ買いした野菜や、余って無駄にしてしまいそうな野菜があるときに役立つのが、冷凍保存です。 方法は簡単で、水気を切った野菜を冷凍専用の厚手の保存袋に入れて冷凍室に入れるだけ。 カットしない“丸ごと冷凍”なら3カ月、適当な大きさにカットした野菜でも1カ月ほど保存できます」(島本さん、以下同) こうした基本的な保存術を念頭に、野菜ごとの冷凍保存法&使い方を伝授してもらった。 【1】キャベツ 「大きなものなので、冷凍する場合はカットしておく必要があります。くし形に大きなサイズでカットして冷凍すれば、ポトフなど長時間煮るような料理に便利です。炒め物などに使いたい場合は、ざく切りに。あまり大きなサイズにすると筋が残る場合があるので、1~1.5センチ幅くらいがベスト」 【2】アボカド 「丸ごと保存した場合、自然解凍に15分から20分ほどかかります。半解凍の状態はアイスクリームのような食感なので、はちみつをかけて食べると美味。一口大に切って保存する場合は、表面が変色するので、レモン汁を少量かけて冷凍しましょう」 【3】ブロッコリー 「小房に分けて、生のまま冷凍。芯(茎)を捨ててしまう人もいますが、薄切りにして小房と一緒に冷凍しておくと、違う食感が楽しめます。冷凍のままスープなどの調理ができます」 ブロッコリーは冷蔵よりも冷凍のほうが、βカロテンが4倍になるという研究結果もある。