相場を知らない素人同士の仕事は、予算をすごい勢いで溶かす! 西野亮廣が「プロはお金がかかる。自分でやればタダ」という考えを持つ大多数を一刀両断!
「損して得取れ」ができず、「安物買いの銭失い」を繰り返す
次に、素人は「お金を作ってくれる人(プロ)をお金で買う」という発想がゴッソリと抜け落ちている。 要するに「月に150万円作ってくれる人を、月に50万円で雇えばいいじゃん」という話なんですけども、この50万円を出すことを渋ったせいで、「入ってくるハズだった100万円」を捨ててしまっている。 そして、その100万円は元々手元になかった100万円なので、これまた「失った自覚」や、「100万円を溶かしてしまった」という罪の意識を持てない。 「0が0になったんだから、プラマイ0でしょ?」という絶望的な算数をしてしまう。 ここから、すごく有料級の話をします。 朝からおめでとうございます。 「お金を作ってくれる人をお金で買う」という考え方は、チームでクラウドファンディングをやる場合などにその効果が顕著に出ます。 たとえば、クラウドファンディングをやったことがない素人同士でクラウドファンディングをすると、リターンの設計のミスもさることながら(ここでもお金と時間を溶かしまくる!)、そもそも「クラウドファンディングをやったことがない素人」のまわりには「クラウドファンディングにログインしている人」が少ないので支援の集まりが悪い…というのがある。 さらには、「クラウドファンディングで高額の支援をしてくれるのは、どの属性の人か?」という問題があって、皆さん、お察しのとおり「経営者層」なんですね。 ここでお聞きしたいのですが、「経営者の知り合い」って、そんなにいます? まぁ、ほとんどの人が「いない」というか、そもそも「どこで出会うか分からん」といったところだと思います。 ただ、現在、お金で買うかどうか検討している「お金を作ってくれる人」のまわりには経営者が結構いるんですね。 劇団員だけでクラウドファンディングをやっても、高額の支援は集まらないんです。 なぜなら劇団員の知り合いに経営者がいないからです。 だから劇団の代表に「チームにビジネスマンを入れなさい」と言っているんです。 その人がもたらす二次三次の影響まで考えなきゃいけない。 ていうか、この分野の話に関しては、素人が千人、万人集まって話し合って答えを出したところで、脳内お花畑の机上論理想論で終わりなので、少なくとも2024年においては「西野亮廣のアドバイスをそのまま聞く」が正解です。 僕は経験でしか語っていないので。 ちなみに、ブロードウェイでは「投資家(数億円を出してくれる人)を引っ張ってきてくれるスタッフを月額数百万円で雇う」ということをやっていたりします。 ビジネスリテラシーが低い人は、総じて「損して得取れ」ができていなくて、そのかわりに「安物買いの銭失い」を繰り返しているので、貧しくなる一方です。 興行を打つ場合はキチンと興行の知識があるプロを入れることが大切です。 宣伝になっちゃいますが、CHIMNEY TOWNは「CHIMNEYイベントサポート」というのと「クラファンサポート」というサービスをやっているので、気が向いた時にご活用ください。 結果的にメッチャやすくつきます。 西野亮廣/Akihiro Nishino 1980年生まれ。芸人・絵本作家。モノクロのペン1本で描いた絵本に『Dr.インクの星空キネマ』『ジップ&キャンディ ロボットたちのクリスマス』『オルゴールワールド』。完全分業制によるオールカラーの絵本に『えんとつ町のプペル』『ほんやのポンチョ』『チックタック~約束の時計台~』。小説に『グッド・コマーシャル』。ビジネス書に『魔法のコンパス』『革命のファンファーレ』『新世界』。
TEXT=西野亮廣