岸田氏不出馬を前提に「総裁選での党再生」を主張、菅義偉前首相がここにきて「岸田降ろし」に邁進する深い事情
これを受け、同日夜から27日朝にかけ、中央紙やテレビメディアの多くは「河野氏が、9月の自民党総裁選に出馬する意向を麻生氏に伝えた」と報道したが、河野氏は27日午前「どの河野さん? 面白い小説だと思います」などとはぐらかした。というのも河野氏は「本籍は麻生派だが、実質的後見人は菅氏で、両親分の了解がなければ、総裁選出馬は困難」(自民長老)とみられており、「軽々に答えられる状況ではない」(同)からだ。
こうしてみると、菅氏の手駒とされる総裁候補たちは「麻生氏とのキングメーカー争いの道具としても、いずれも決め手に欠けている」ことは否定できない。このため、岸田首相も「麻生、菅両氏の主導権争いを利用すれば、総裁再選は可能」(側近)とみて、連日のように麻生氏との密談を繰り返しているとみられており、現状では「総裁選告示直前まで、出たとこ勝負が続く」(自民長老)ことは間違いなさそうだ。
泉 宏 :政治ジャーナリスト