史上最も壮絶な役づくりをした俳優は? 映画史に残る名演(5)素晴らしい憑依力…美と才能を併せ持った天才は?
スクリーンでまばゆい輝きを放つハリウッドスターたち。中には、本番に至るまでの役作りで、過酷な肉体改造を行う者も。今回は、歴代ハリウッドスターの中でも、とりわけ壮絶な役作りを行った俳優を5人セレクト。映画ファンを驚かせたエピソードと共に紹介する。第5回。(文・shuya)
ルーニー・マーラ
ナチュラルな演技で人々を虜にするルーニー・マーラ。ルーニーの演技の自然さは、同業者からも絶賛されている。また彼女は、世界トップクラスの名優ホアキン・フェニックスの妻であることでも知られている。 2人は『her/世界でひとつの彼女』(2013)や『ドント・ウォーリー』(2018)などで共演し、繊細な役作りと高い演技力で作品に彩を与えてきた。 ルーニーが最も注目を集めた作品といえばデビッド・フィンチャー監督の『ドラゴン・タトゥーの女』(2011)だろう。この作品で天才ハッカー・リスベットを演じたルーニーは、アカデミー賞主演女優賞にノミネート。彼女は役のために、骨と皮だけの状態になるまで体重を落とし、髪型を変え、さらには唇や眉毛にピアスを開けるなど、徹底した肉体改造を敢行。 普段はおっとりして、なんとも女性らしい雰囲気をまとっている彼女だが、この作品では、そんな雰囲気はどこへやら、見事にダークな雰囲気をまとっている。 ちなみに、映画『キャロル』ではケイト・ブランシェットとの共演で女性に恋をするレズビアンを演じたルーニー。月並みな賛辞ではあるが、『ドラゴン・タトゥーの女』と『キャロル』を比べてみると、同じ女優が演じているとは到底思えない。素晴らしい憑依力である。 役作りの成果を見る上で外見の変化はわかりやすい。だが、ルーニーの役作りにおける内面の繊細な変化は、目を見張るものがあり、他の俳優にはできないと思わせるものがある。 ぜひ、今後も彼女の繊細な役作りに注目してほしい。 (文・shuya)
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