“車に興味ない遺族”は旧車をどうすべき? “おじいちゃんのクラウン”を受け継ぐ孫の葛藤
「認知症になったおじいちゃんの笑顔が見たい」。その一心で、車庫に眠っていた半世紀以上にわたり祖父が大切にしてきた宝物のクラウンを復活させることを決意。心ない誹謗中傷を受けながらも、その過程をSNSにつづり、反響を呼んだりかさん(@rika_mayu_ai)。昨年、祖父の他界後、一度は受け継ぐ決意をするが「おじいちゃんの笑顔」という目標がなくなったなか、車にはまったく興味がなかったりかさんには迷いが生じる。思い出の“おじいちゃんのクラウン”が歩んだ57年間の道のりと未来について、りかさんと母・保枝さんが語ってくれた。 【写真】おじいちゃんの笑顔が素敵すぎる…57年前の車とは思えないほどピッカピカな超希少車・クラウン内外装全部見せ
■TikTok投稿で気付いた“宝物”の価値「ただ古いだけはなく、祖父の想いも乗っている車」
「おじいちゃんの為に、車を修理した。おじいちゃんの為に、車でお出かけをした。でも大好きなおじいちゃんが亡くなって、心にぽっかり穴が空いています。。私自身が車好きというわけではないから、これから何を原動力にしてどんな投稿をしたらいいのか不明で悩んでいます。。」 祖父の宝物だったクラウンを受け継いだ孫のりかさんが、Xにこんなつぶやきを書き込んだのは、今年1月31日。 「いろいろ忙しいなかで、何もできなくて。宝の持ち腐れになっているんじゃないかって悩んだり、応援してくだる方々に向けて、(SNSに)動画もあげなければという使命感もあって。ちょっと迷子になってしまったんです」(りかさん) そもそもこのクラウンは、正確には『トヨペット マスターラインダブルピック』(=通称『クラウンマスターライン』/1967年式)という超希少車。なぜこんなに注目を集めたのかというと、事の発端は2021年に、りかさんが投稿した1本の動画がきっかけだった。さまざまな事情から車庫に眠っていたこの車の売却を宣伝するため、TikTokに投稿するとそれが大バズリした。 「『貴重な車だから売らないでください』というコメントと同じくらい、『おじいさんが長年大切にしてきたことが一目でわかる』とか『この景色がなくなってしまったらおじいさまの心が心配』など、おじいちゃんに関わるコメントをたくさんいただきました。それを見て、この車はただ古くて希少なだけではなくて、おじいちゃんの想いも乗っている車なんだと気付かされたんです」(りかさん)