スカイマーク破たんと客船人気 神戸の「空と海」の玄関で明暗
「神戸港」かつて世界3位のコンテナ取扱港
一方、神戸の海の玄関口は活気を取り戻しつつあります。 大型客船に乗って各国を周遊するクルーズ旅行人気の追い風に乗り、2014年の神戸港の外国客船の入港は32隻と過去最高(1989年の統計以降)。今年も昨年を上回る39隻の入港が見込まれ、最高を更新する勢い。8月には神戸港史上最大となる16万トン級の客船「クァンタム・オブ・ザ・シーズ」が初寄港を予定しており、観光などで大きな経済効果が期待されています。 こうした背景から同市は地元観光業者と連携強化や、港に隣接した温泉宿泊施設の誘致やコンベンション施設の建設などにも踏み切りました。同市みなと総局振興課は「中国などアジアを中心に外国人旅客が増えている。神戸といえば港というイメージがあり、客船の入港増加で市内の活気にもつながる。港湾内の無線LANを充実し、外国人客には1週間無料で開放するなど港のサービスにも力を入れており、今後も誘致を強化したい」と話しています。 神戸港はかつて世界3位のコンテナ取扱港として知られました。しかし、香港や韓国・プサンなどアジア各国の港湾の急追に加え、阪神大震災で壊滅的な被害を受け、復旧した後も世界50位以下に低迷します。しかし、水深15メートル以上のバース(旅客乗降などの係留施設)を複数持つ国内有数の客船対応港である強みを生かし、受け入れ態勢を整備することで、横浜港と二分してクルーズ船の入港が増えています。 神戸牛ブランドなどもあって「KOBE」という都市名は外国人観光客に意外に知られているといわれます。神戸港が客船誘致などで復活を目指した中で、今後神戸空港が3空港体制の中でどのような独自性を出せるか注目されます。