衆院選の“おまけ”にもならない? “形骸化”の指摘も 「最高裁判所裁判官の国民審査」はいるかいらないか
有権者「あれ、わからないから書かない。だって全然わからない。身近に裁判って私たち一般の者にはないから。裁判官の経歴しかわからないでしょ、東大出とか金沢大出とか。だからあの〇も×もしない」「知らない人に×つけるのもあるし…というので、特に何も記入することはないという感じ」 ■「調べておけばよかった」「結構考えさせられた」 国民審査に一定の関心も 一方で、投票を終えた有権者のなかには国民審査について検討をしていく大切さを感じている人もいるようです。 有権者「前回まではちょっと調べて今回全然調べてこなくて。あと期日前投票がきょうからだからと思って慌てて来たので失敗したなと」「以前法務省で少し働いていたときがあって、裁判員制度とかもニュースで見ていたりするとやっぱりそれも自分と関係ないことではないのかもしれないなと思って。今回は結構考えさせられました」 ■今回審査の対象は6人 「最高裁で仕事をしていない裁判官」も審査? 今回は、6人の裁判官が国民審査の対象です。 ■尾島明氏(66) ■宮川美津子氏(64) ■今崎幸彦氏(66) ■平木正洋氏(63) ■石兼公博氏(66) ■中村愼氏(63) 国民審査の公報は総務省のホームページなどに掲載され、経歴などを確認することができます。 しかし、対象になる裁判官の中には着任早々のためまだ最高裁で仕事をしていない人も含まれています。平木正洋氏、中村愼氏は最高裁の裁判官として関与した裁判がありません。 金沢大学人間社会研究域法学系・山崎友也教授「結局衆院選のときに着任間もない裁判官が審査を受けるということになっている。そういう場合には裁判官の前歴を見て、どういう物の見方をしているのかということを有権者が調べていかないといけないということになるが、やっぱり最高裁の裁判官に選ばれた以上、既存の判例に対してどういう考え方を持っているのかとか、そのあたりをちゃんと各裁判官がコメントを出して、それを有権者が判断するというやり方にしないと本来はまずい。選挙公報ではもう完全に不十分だと思う」