衆院選の“おまけ”にもならない? “形骸化”の指摘も 「最高裁判所裁判官の国民審査」はいるかいらないか
10月27日(日)に投開票が行われる衆議院選挙ですが、同時に行われるのが「最高裁判所裁判官の国民審査」です。ただ、国会議員を選ぶ投票に足を運んでも、国民審査に注目をしている有権者は少ないのではないでしょうか。 【写真を見る】衆院選の“おまけ”にもならない? “形骸化”の指摘も 「最高裁判所裁判官の国民審査」はいるかいらないか 国民審査とは何なのか、「無関心」が生み出されてしまう要因は何なのでしょうか。 ■国民審査は「ふさわしくない裁判官を罷免する」制度 最高裁判所裁判官の国民審査は、すでに任命されている最高裁判所裁判官がその職にふさわしいかどうかを国民が審査する制度です。ふさわしくない裁判官を「罷免」するしくみです。 裁判官は、任命されてから最初に迎えた衆議院選挙の投票日に国民審査を受けます。 実際の投票では、やめさせたい裁判官がいる場合その名前のところに「×」をつけます。×が記載された数が何も記載されていない数を超えたら、つまり有効投票数のうち過半数の不信任をうけたらその裁判官は罷免されます。 しかし、戦後25回国民審査が実施されていますが罷免された裁判官は0です。 ■「知らない人に×をつけるのも」有権者の関心が高まらない国民審査 何が問題? 有権者の判断が罷免に結びついたことがない国民審査ですが、これでは制度が形骸化しているのではという疑問も出てきます。 国民審査をめぐる状況について、金沢大学人間社会研究域法学系の山崎友也教授(憲法学)は、周知が不足していることをまず指摘します。 金沢大学人間社会研究域法学系・山崎友也教授「有権者にとって、最高裁の裁判官が何をやっているのかということがあまり伝わっていないということだと思う。そのあたりの情報提供をもうちょっとマスメディアとか選挙管理委員会を含めてもっとしっかりやっていくことで、有権者の関心を高めていく。そういうことがまず先行すべきなんじゃないかと思う」 10月16日、衆院選の公示の翌日に設けられた石川県内の期日前投票所で有権者に尋ねると、国民審査の投票は意識していないとの声が聞かれました。