「老後はゆっくり過ごそう」から急転直下…「タワマン・年金暮らし夫婦」を襲うまさかの事態
「次は払えない?」…頭を悩ませるマンションの修繕費問題
一度目の工事では、修繕費用を用意することができたA夫婦でしたが、次の工事への不安が頭をもたげます。 「体が弱ってきた今、このまま住み続けていいのか不安になっています。50万円はなんとかなりましたが、今回より大きな金額が必要になったらと思うと……」 次の工事も大規模修繕になるとは限りません。建て替えになるとさらにまとまったお金が必要になる場合があります。幸いなことにA夫婦には、まだ貯金に余裕がありますし、年金もあるのでいまのところ困ることはありませんが、いざとなったときに頼れる親戚がいないことも若干の不安を掻きたてるようです。 日本年金機構『令和6年4月分からの年金額等について』によると、令和6年度、平均的な収入をもとにした年金の給与水準は、国民年金(老齢基礎年金(満額))が月額6万8,000円、厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)が23万483円です。 一方、総務省『家計調査 家計収支編 2023年』によると、「65歳以上の夫婦のみの無職世帯」の平均的な消費支出は25万959円。毎月3万円程度、貯蓄の切り崩しが必要となるイメージです。 急なお金は、人生のあらゆるシーンで必要となるもの。終の棲家が決まってもう安心……というわけにはいきません。たとえ資金繰りに余裕があったとしても、中長期的な人生設計は必須といえます。