【木村和久連載】セルフプレーが主流になったゴルフラウンドの今 ナビボードの性能も格段にアップ
そもそもグリーン手前の60~70ヤード以内には、乗用カートは入れません。コースによっては、グリーン手前100ヤード以内くらいから入れないところもありますから、その範囲内での正確な位置は計測できません。 しかも、ナビボードの距離計測方法はグリーンエッジまでの距離がインプットされていて、それに当日のピン位置を足して計算しているパターンが多いです。だから、ピンに対して直線的な距離計測は得意ですが、グリーン脇の距離計測は苦手。そういった場所においては、手持ちの距離計を使うか、経験で養った距離感を信じるか、ですね。 セルフプレー増加の後押しと言えば、R&Aのルール改正もそのひとつです。 2019年から、ピンを差したままパットを打てるようになりました。つまり、ピンを抜いて、また差してという、それまで毎ホールやっていた行為がなくなり、セルフプレーのなかでもとりわけ面倒だった行為が消滅した、ということです。 あと、セルフプレーで自らやることは、ボールを拭くとか、ディボット跡の目土、バンカーの均し、ピッチマークの修復などがありますが、それらはプレーヤー自身がやればいい話。それらはやらなかったとしても、ペナルティーは受けません。プレーヤーの志の問題となります。それがイコール、コースのクオリティにつながるわけです。 ちなみに、名門&高額コースのゲストは、セルフプレーでもしっかりマナーを守り、コースをきれいに使っていることが多いそうですよ。 ところで、こうしたセルフプレー、乗用カートでのナビゲーションラウンド全盛の今、キャディ付きラウンドはどうなっていくのでしょうか。 実はこれ、気づかないうちにサービスの変化が起きているようです。 キャディ付きかセルフか選択制のコースでは、キャディ付きを選択しない場合が多くなっています。それは、キャディさんを付けると料金負担も増えるし、セルフで事足りると誰もがわかっているからです。 キャディ付きにするのは、VIPなゲストがいる、あるいは初心者がいる、とかでしょうか。そういう場合、キャディさんにはそういった方々に集中して付いて回ってくれるように頼みます。 そうしたなか、久々にキャディさんのいるラウンドがありました。さて、昔と何が違ったでしょうか。 以前より、キャディさんは自らの業務を主張しなくなりました。それは、セルフプレーに慣れたお客さんが多いからなんですね。