米倉涼子「劇場版ドクターX」で挑む“経営者”としての大勝負 多額出資で「絶対に失敗できない」
■テレビで語っていた「事務所運営の難しさ」 こうした不安要素もあってか、米倉は番宣にフル稼働。「徹子の部屋」「有働Times(タイムズ)」「ザワつく!金曜日」「くりぃむクイズ ミラクル9」「証言者バラエティ アンタウォッチマン!」など、テレビ朝日のあらゆる番組をジャックしたほか、フィギュアスケートの「グランプリファイナル」ともコラボする気合の入りようだった。 「同作の配給が東宝であることも見逃せません。テレ朝は東映の筆頭株主で、東映もテレ朝HDの第2位の株主である。上映館の数は東宝のほうが多いので観客動員を考えてのことでしょうが、何か“事情”があったことがうかがえます。20年にオスカープロモーションを退所し、独立した米倉ですが、テレビ番組ではコトあるごとに事務所運営の難しさを語っており、プレッシャーは並大抵のものではなかったでしょう。映画化について、米倉さんは公式サイトで『私が大きな画面でドクターXを観てもらいたいと思い、プロデューサーとお話しして実現できました』と語っています。東映ではなく東宝にこだわったのも、米倉さんの意向が働いていた可能性もありそうです」(同前) 大みそかのテレビ朝日系年越し特番「ザワつく!大晦日」への出演も決定するなど、米倉とすれば年末シーズンに向けてさらなるブーストをかけたいところだろう。しかし、そこに立ちはだかるのがあの男だ。 「木村拓哉主演の話題作『グランメゾン・パリ』が12月30日に公開を控えています。19年にTBS系で放送された『グランメゾン東京』は全話平均世帯視聴率12.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)をマークしており、今回はパリを舞台にスケールアップしています。この時期の映画市場は競争が激化するため、『劇場版ドクターX』が順調に興行収入を伸ばしていくには、この強力なライバルに打ち勝てるかも鍵になってくるでしょう」(映画ライター) 同じ医療ドラマシリーズでは、23年に公開され、最終興行収入45.3億円の大ヒットとなった「劇場版 TOKYO MER~走る緊急救命室~」は初日から3日間で動員58万6000人、興収7億9200万円、最終的な興行収入45.3億円を記録した。 「初速の3日間で比較すれば『ドクターX』は興収比で約76%になりますから、最終興行収入は単純計算では約34億円という予測になります。劇場の利益や宣伝費などの必要経費を差し引いた配給収入は、一般的には興行収入の約50%。そこから出資比率に応じて配分されることになるわけですが、ここまで伸ばすことができれば、米倉の個人事務所は万々歳といったところでしょう」(同前) 6月に出演した「あさイチ」(NHK)にて、19年に難病の低髄液圧症候群を患い、5年間闘病していたことを告白した米倉。現在は回復しているとのことだが、しばらく無理をしなくて済むくらいの大成功を収めることはできるのか。 (泉康一)
泉康一