歓送迎会、卒業式「稼ぎ時なのに…」 新型コロナで自粛、業界が悲鳴
東日本大震災よりもインパクト大
大和総研は2月28日、新型コロナウイルスの感染拡大による個人消費の落ち込みについて、今年の2~5月の4か月間で約3兆8000億円に及ぶとの予測を発表しました。大きく消費が減ると予想したのが、外食や旅行関連業界などです。これらは、2011年の東日本大震災後にも需要が減りました。 その東日本大震災の際の個人消費の減少について、同社は2兆6000億円程度だったと試算しており、今回はそれを上回ると見込んでいます。東日本大震災のときに個人消費が減ったのは東日本中心だったのに対し、今回は政府による大規模イベントの中止・延期要請などを受け、個人消費への影響が全国に及ぶと予想されたからです。 今回の試算は、あくまでも3月の活動自粛の効果によって感染拡大が収まり、4月以降は経済が正常化していく、という仮定に基づくものです。同社の山口茜研究員は「感染拡大が長引くほど消費の回復は遅れてしまい、影響は今回の予測よりもさらに大きくなるかもしれません」と説明。東京都などが今週末(3月28、29日)の外出自粛を要請したことを受け「旅行や外食、レジャー関連の消費がより落ち込むことが予想されます。個人消費の落ち込みは、当初想定した約3兆8000億円よりさらに大きくなることも十分考えられます」と分析しています。 (取材・文:具志堅浩二)