兵庫県たつの市での女児刺傷事件後、現場周辺の防犯カメラに映った人物。県警が公開していた＝県警提供

　兵庫県たつの市で2006年、当時小学4年生の女児が路上で刺された事件に関与した疑いが強まったとして、県警は、別の女児を殺害した罪で服役中の男（45）を殺人未遂容疑で7日にも逮捕する方針を固めた。男は関与を認める供述をしているといい、現場近くの防犯カメラに映った人物と年代などに矛盾はないと県警は判断した。捜査関係者への取材でわかった。 【写真】女子児童・生徒が襲われた事件現場 　男はさらに、同県加古川市で07年10月に小学2年の鵜瀬（うのせ）柚希（ゆずき）さん（当時7）が自宅前で刺殺された事件について関与をほのめかしているといい、県警はその信用性を含め、事件との接点を慎重に調べる。 　たつの市の事件は06年9月28日午後6時20分ごろに起きた。自転車で帰宅途中だった小学4年の女児（当時9）が刃物を持った男に腹や胸などを刺されて重傷を負った。 　男はこの2年前の04年9月3日に岡山県津山市で小学3年の女児（当時9）を殺害した疑いで18年5月に逮捕された。23年9月に最高裁で無期懲役の判決が確定した。 　確定判決によると、津山市の事件で男は学校から帰宅する女児の後をつけ、女児が自宅に入ったところで無施錠の玄関からわいせつ目的で侵入。女児が抵抗したため胸や腹を刃物で刺して殺害した。 　捜査関係者によると、刃物で女児の腹を刺すなどの手口に類似点があり、たつの市の事件について男が関与した疑いが浮上。男は兵庫県警の任意の事情聴取に対し、事件への関与を認めたという。 　県警は7日にも服役先から男の身柄を移し、逮捕して詳しく調べる方針だ。 　男が他に関与をほのめかしたとされる加古川市の事件は、たつの市の事件からさらに1年後の07年10月16日午後6時ごろ発生。鵜瀬さんは帰宅して自宅裏に自転車を置き、玄関に向かうまでのごく短時間に胸と腹を刺され、失血死した。 　事件は物証や目撃情報に乏しく、未解決のままになっており、県警は慎重に調べる。（宮坂奈津、小田健司）