総額4億円、10日間プロアマ、ラウンドガール…異色の新規大会への懸念と期待
今季と同じ24試合のスケジュールとなる2025年の国内男子ツアーに、異色の新規大会が加わった。今季まで日本開催PGAツアーのタイトルスポンサーを務めた「ZOZO」の前社長で、実業家の前澤友作氏が手掛ける「前澤杯 MAEZAWA CUP」。シーズン第2戦となる4月24日から予選カットなしの4日間で行われ、出場選手100人が国内ツアー史上最高の賞金総額“最大”4億円、優勝賞金8000万円を争う。 【画像】「ZOZO」のレジェンドスイートで牛タン食べた “最大”がつくのは、前週から10日間にわたり行われるプロアマ戦の収益が賞金に還元されるため。プロアマ戦は1日あたり最大50組、1組100万円で販売。参加アマチュアはラウンド希望のプロ選手をオークション入札方式で競うため、選手によってはさらに金額がつり上がる可能性がある。選手にプロアマ参加の日数制限はなく、カート使用とはいえ指名が集中する人気選手への負担も気がかりだが、倉本昌弘JGTO副会長によれば選手側から同意を得られているという。 破格の高額賞金への懸念もある。優勝賞金8000万円は、今季賞金王の金谷拓実が稼いだ1億1955万1222円の約67%を占める額。賞金王争いを左右する大一番をシーズン序盤で迎えることになるため、過去に例をみない早期に賞金王が決まる可能性もある。 倉本副会長は「勝てば(賞金王の)チャンスはあると思うが、8月に(総額)2億1000万円の大会が加わり、終盤も2億円の大会が続く。そこで決まるわけではないと思う」と予測する一方、「ポイント制にしないと、そういう課題は出てくる」とも。2026年シーズンからの移行を目指す、大会の賞金総額に左右されないポイント制の必要性を改めて口にした。 大会は前澤氏が所有するプライベートコースMZ GOLF CLUB(千葉県)で実施。リリースにはプロアマ、本戦ともにスコアボードを持った“ラウンドガール”が全組に帯同することも明記されている。人によっては賛否の分かれそうな施策が並ぶが、倉本副会長は「男子ツアーの中で『突破口がない』と聞くことが多い。何でもやってみないと分からないと思っている」と話し、異例尽くしとなる新規大会に期待を寄せた。(編集部・塚田達也)