[特集/究極・三つ巴戦線 01]どのクラブにも負けられない理由がある 驚愕レベルで拮抗するシティ、レッズ、ガナーズ三つ巴決戦
シティは優勝方法を知っている 4連覇+2年連続3冠を目指す
残り10試合の時点で3位にいるが、プレミア3連覇中のシティはどのチームよりも優勝経験が豊富だ。シーズンの“締め方”をわかっていて、昨季は後半戦に12連勝を達成している。尻上がりに調子を上げる傾向があり、今季も15節アストン・ヴィラ戦(0-1)に負けて以降、FA杯、CLを含めて黒星がない。アーセナル、リヴァプールが今後の試合で勝点を取りこぼすようだと、シティが3位からまくることになる。 最大のヤマ場はなんといっても30節アーセナルとの直接対決になる。昨季は33節という大詰めで対戦して4-0で完勝し、そのままの勢いで3連覇を達成している。グアルディオラ監督を筆頭に勝負どころを心得た選手が多いシティにとっては再現を狙う一戦で、勝ったほうが優位に立つ両者の今季を決定するいになりそうだ。 とはいえ、アーセナル戦のあともプレミア、FA杯、CLで落とせない試合が続く。上位との対戦も31節アストン・ヴィラ戦、34節トッテナム戦を残しており、決して簡単な日程ではない。FA杯でリヴァプールと、CLではアーセナルと対戦する可能性もある。 懸念されるのは試合数の多さで、ケガ人はいないが少数精鋭で戦っている面があり、強度を保てるかという不安がある。ただ、力を発揮できないとき、うまく試合を運べないときでもなんとかしてしまうのがグアルディオラ監督とシティの選手たちである。 28節リヴァプール戦は攻撃的MFのケビン・デ・ブライネとベルナルド・シウバが思うようにボールを持てず、前線のFWアーリング・ハーランドまでボールを運ぶことがなかなかできなかった。すると、グアルディオラ監督はデ・ブライネに代えてFWジェレミー・ドクを投入し、サイドを個人技で崩すことを狙った。 得点にはならなかったが、ドクが左サイドでボールを持ち、巧みなコントロールから左足シュートを放ってゴールポストを直撃したシーンがあった。グアルディオラ監督の交代によってシティの攻撃が活性化されたのは間違いなく、こうした柔軟性、対応力を持つのが3連覇中の王者のストロングポイントになる。 昨季、すでにプレミア、FA杯、CLの3冠を達成している。過密日程を戦い抜かなければならないが、シティにとってははじめてのことではない。監督はもちろん、各選手がどうしなければいけないか、これからの一試合一試合がどういう意味を持つか十分に把握している。いまは3位にいても、優勝に近いのはやはり経験豊富なシティなのかもしれない。