リオ五輪で最も世界に衝撃を与えたのは「安倍マリオ」だった!?
リオ五輪の閉会式で行われた東京五輪のPRプレゼンテーションで、安倍首相が扮したマリオが世界中で話題になっている。閉会式の最後に4年後の東京へ開催地の引継ぎのセレモニーが行われ、小池百合子・東京新知事に五輪旗が手渡された後に東京五輪のイメージを世界に知ってもらうための恒例のショーがスタート。まずはイメージ映像が使われたが、その映像のクライマックスが場内を沸かせた。 競泳の北島康介さん、女子マラソンの高橋尚子さん、クールジャパンの象徴である漫画「キャプテン翼」の主人公、ボクシングの村田諒太さんとつながれた赤いボールを安倍首相が受け取り、リオに向かう時間がないため、人気ゲームソフトのキャラクター「スーパーマリオ」に変身。ドラえもんの力を借りて土管を作り、地球の裏側にあるリオまで、ドリルを使って穴を掘り、ゲーム内に出てくる「土管でワープ」のイメージでリオへ移動を始めたところで映像が終了。突然、むくむくとスタジアムの中央に実物大の土管が現れ、安倍首相がマリオのコスプレで飛び出て、衣装を脱ぎスーツ姿に変わる、というサプライズな演出だった。 この演出が、世界を大きく驚かせたようで、世界のメディアが、大会を振り返った五輪関係のニュースでは、日本の選手達が見せた様々な活躍よりも閉会式での安倍首相のマリオ姿について触れる記事が先行した。 英国のBBCニュースは「リオ五輪で最も思い出に残る場面」として、40の場面をランキング形式で紹介。開会式で、上半身裸で民族衣装を身にまとったトンガの旗手、テコンドーのピタ・タウファトファ選手が、閉会式でも体にオイルを塗って肉体美を強調した同衣装で登場したことを冒頭で紹介し、「彼の姿が誰からも注目を集めた」と説明した。 2番目には、米男子バスケットボールの代表で身長211cmのセンター、ディアンドレ・ジョーダン選手と米女子体操代表で身長137cmのラガン・スミス選手のツーショット写真が、オリンピックに出場する選手にはさまざまな大きさの選手がいることを象徴していると話題になったことを紹介した。 3番目は体操韓国代表のリ・ウンジュ選手と、北朝鮮代表のホン・ウンジョン選手が二人で自撮り写真を撮っている姿をピックアップ。表向きには戦争状態にある両国だが、二人の純真な笑顔に「仲直りした瞬間」と表した。 同紙は、その他に五輪で28個のメダルを手にし、今大会限りで引退する競泳のマイケル・フェルプスが、ライバルを厳しい目つきで睨んでいる姿や、リオの貧困地で育った柔道のラファエラ・シルバが女子57kg級で開催国ブラジルの今大会初の金メダルをもたらした場面を紹介すなど40場面を挙げた。 そして、ランキングの40番目に入ったのが、安倍首相のスーパーマリオだった。“Tokyo”という文字の入ったマリオの帽子を被り、赤いボールを持った安倍首相の写真とともに「次の2020年大会が東京で開催されることで、日本の安倍晋三首相がコンピューターゲームのキャラクター、マリオの格好をして現れた」と紹介したのである。40場面に日本のアスリートのシーンはひとつもなかったが、この閉会式のひとこまだけが、日本に関連する印象に残った思い出の場面として取り上げられたのである。