共働きで世帯年収「1000万円」の夫婦です。2人なら「裕福な生活」ができると思っていましたが、意外と余裕がありません。やはり都内だと厳しいのでしょうか…?
「世帯年収1000万円」という数字をみたときに、その世帯に対してイメージするのはどのような暮らしでしょうか。裕福な暮らしをイメージする人は少なくないかと思います。 しかし、一口に世帯年収1000万円といっても、住む場所や生活スタイルによっては多くの人が想像するような裕福な暮らしは実現が難しいのが現実です。特に東京都内のような都市部で生活する場合にはかかるコストがほかの地域と比べいっそう高くなり、裕福な暮らし実現のハードルが高くなります。 本記事では、世帯年収1000万円という言葉だけではくみ取ることができない、収入と支出のリアルなギャップについてひもといていきます。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
都内は近隣県と比べて3%以上も支出コストが高い
東京都は、生活にかかるコストが他県と比べて高くなっています。総務省が公表している都道府県ごとの物価水準の高さを比較した令和4年度の消費者物価地域差指数では、東京都が10年連続で最も物価水準が高いという結果が出ています。物価水準の基準(全国平均)を100とした場合に、東京都は104.7、近隣の千葉県は101.0、埼玉県は100.5です。 近隣県と比べてベースとなる日々の生活コストが約3%も高い状態で過ごしていることは、世帯年収が1000万円あっても都内在住の場合に裕福度を実感できない理由の1つです。
都内における住居面のコスト高は特に顕著
生活にかかるさまざまなコストが高い東京都ですが、特に住居面での他県との水準の差が顕著です。 消費者物価地域差指数の中で、住居面をみると東京都は130.7、近隣の千葉県は111.6、埼玉県は108.9です。住居面だけでみると近隣県と20%近い物価水準の差があります。 大手不動産情報サイトで1LDKの家賃相場を比較してみると、例えば、東京23区で最も高い家賃相場の港区は20万4000円、最も安い相場の葛飾区は8万3000円です。対して近隣の千葉県で最も相場が高い流山市は9万2000円、埼玉県で最も高いさいたま市浦和区は10万円です。 都内でもエリアによっては住居コストを抑えることはできます。しかし、特に23区内に住むことを検討する場合は、世帯年収が1000万円でも理想の住みたい家に確実に住む収支状況を作り出すことは簡単ではありません。 世帯年収1000万円で生活に余裕を感じることができていない人で、都内に絶対に住まなければならない理由がなく、持ち家ではなく賃貸である場合には、近隣県へ住居を移すことで生活コストを下げることも、望む豊かな生活を実現するためには大切な選択の1つとなるでしょう。