危険を見える化!浸水想定を電柱に 街自体が防災マップ 台風の被災経験を教訓にした二本松市の防災【福島発】
経験を教訓に自主防災
二本松市は東日本台風で大きな被害を受けた自治体の一つでもある。この台風をきっかけに住民たちも動き出している。 二本松市西谷地区は、東日本台風では地区の避難所としていた建物もあわや浸水という状況だったという。 自主防災組織のリーダーを務める菅野拡さんは「避難して来た人たちがここで待機していた。こわかったです…これ以上、水が来たら逃げるところないなって」と当時を振り返る。
住民同士のつながりで被害軽減
東日本台風で、西谷地区では住宅2棟が水没、道路が寸断されるという大きな被害にあった。 台風の被害を受けて川幅の拡張工事は実施されたものの、住宅に比較的遠い場所などは拡張工事の対象でない部分もある。また、災害級の雨にならなくても、場所によってはすぐに水かさが増してしまう所もあるという。 激甚化する災害に対し、ハード面の対応を待ってはいられないと、住民同士のつながりで被害を減らしていくため、台風の被害後に西谷地区の自主防災組織が立ち上がった。
課題も…できることから
地区の1軒1軒を回って聞き取った「災害が起きたときに不安なこと」をもとに、声かけのタイミングなどを模索しているという。 「いざというとき」に備え、地域の防災力を高めたい一方、住民が100人に満たず3分の1から半分が高齢者というこの地区では、避難所での備蓄品や避難誘導に必要な道具を揃えるなど、物資面で組織を強化することは難しく、まずは「できることから」というのが現状だ。 自主防災組織のリーダーを務める菅野さんは「防災のために5000円出してくださいとは、私の口からはなかなか言えない。我々ができることは見回りとか、災害があった時に手助けをすること。みんなで見回り活動とか、お互いに協力し合うことが、災害を最小限にできる地区でありたい」と話した。
高齢化 防災組織の維持が難しく
全国各地で自主防災組織が立ち上がっているが、特に高齢化が進む地区では組織を維持できるかという点も課題となっている。防災マイスターの松尾一郎さんは「防災力や体制を維持するのは、どこも同じ課題。地域の祭りや交流会・訓練の中で人を集めて、つながりを深めることが重要」と指摘する。 また松尾さんは「災害はみなさんが暮らす地域で起こる。そこに暮らす消防団・民生委員・児童委員・自主防災・自治会などそれぞれが役割を全うして、被災回避行動をすれば、災害に強い地域になれる。基本的には役割をどう全うするかということ。そういう地域社会が必要だろう」と話した。 (福島テレビ)
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