「僕が暴行して亡くなったかも」 肋骨30カ所ほど折れ死亡した隣人 自身の暴行が死因となった可能性を認識 初公判で傷害致死罪は否認
堺市の集合住宅で隣りに住む男性を死亡させた罪などに問われている男の裁判員裁判。 男は初公判で傷害致死罪について否認していたが、当時「自らの暴行で死亡したのではないか」と思っていたことを明かした。 「僕が暴行して亡くなったかも」 肋骨30カ所ほど折れ死亡した隣人 自身の暴行が死因となった可能性認識 楠本大樹被告(34)は2022年、堺市中区の集合住宅で、隣の部屋に住んでいた唐田健也さん(当時63)に暴行を加え死亡させた罪などに問われている。 2人は生活保護を受けていて、楠本被告が唐田さんにさまざまな理由をつけて生活保護費から金を支払うよう要求し、常習的に暴行を加えていたという。 5月13日の初公判で、楠本被告は6件の暴行罪については認めたものの、傷害致死罪については「人が死ぬような力を加えて殴ったことはない」と起訴内容を否認した。 しかし、16日の被告人質問では… 弁護人:(亡くなっている)唐田さんを見てどう思いましたか。 楠本大樹被告:僕が暴行してお亡くなりになったのかもしれないと思いました。 弁護人:どうしてそう思ったのですか。 楠本大樹被告:(いつもより)強い暴行を加えたので。あざとかがあったら警察に通報されてしまうと思い、救急車を呼ぼうとは思いませんでした。 裁判の争点である「暴行と死亡の関係」について、「自分の暴行で亡くなったかもしれないと思った」と話した。 肋骨が30カ所ほど折れていた唐田さん。解剖した医師は、死因について、この骨折が原因で起きた、肺がしぼんでしまう「両側緊張性気胸」だと証言した。
■暴行を通報しなかった堺市の区役所職員も裁判に
さらに、裁判には、中区役所の職員2人も出廷。実は、暴行は区役所職員の前でも行われていたにもかかわらず、職員は警察に通報していなかった。堺市の検証で、「職員が毅然と対応していれば死亡は防げた」という結果が公表されている。 通報しなかった理由について、当時ケースワーカーだった職員は「楠本被告への恐怖心が大きかった」と話し、元係長は「(楠本被告に)恨まれるのを回避するのが難しいし、そうなったときに組織(区役所)が守ってくれるという安心感がなかったので」と話した。 一方で、楠本被告は区役所職員に何度も「唐田さんは1人暮らしが無理なので施設に入れるべき」と求めていた一面も。 楠本被告は関西テレビの取材に対し、唐田さんについて次のように語っている。 楠本大樹被告:(唐田さんを)好きでもなく、嫌いでもなく、見捨てられない人でした。僕がやったことで亡くなったなら、とても申し訳なく思っています。 判決は6月5日に言い渡される。 (関西テレビ「newsランナー」 2024年5月16日)
関西テレビ
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