フォード、通期利益見通しを弱気方向に修正 EV赤字続く
Nora Eckert Nathan Gomes [28日 ロイター] - 米自動車大手フォード・モーターは28日、利払い・税引き前利益(EBIT)の2024年通期決算見通しについて、従来の100億─120億ドルから約100億ドルに修正した。株価は時間外取引で一時5%下落した。 ジョン・ローラー最高財務責任者(CFO)は、今年は品質保証関連費用やサプライチェーン(供給網)に関する問題が業績を圧迫し、最近のハリケーンで状況がさらに悪化したと説明。他社が生産する手ごろな価格の電気自動車(EV)との競争激化も、フォードのコスト削減の取り組みの足を引っ張ったと付け加えた。 24年第3・四半期の純利益は9億ドル、1株当たり利益は0.22ドルで前年同期の0.30ドルから減少した。EV事業のEBITは12億ドルの赤字。1─9月期累計では37億ドルの赤字で、通期の赤字額は50億ドル前後に上る見通しだ。 調整後1株当たり利益は、LSEGがまとめたアナリスト予想平均の0.47ドルを上回る0.49ドルだった。 CFRAリサーチのアナリスト、ガレット・ネルソン氏は「フォードや他の米自動車メーカーは引き続き高い金利水準や平均を大きく超える在庫に起因する逆風に直面しており、それが販売奨励金などの拡大をもたらし、利益率を圧迫しているはずだ」と指摘した。 フォードはEV事業で前年より10億ドル近くの経費を節約したものの、その効果は業界全体の価格競争圧力でほぼ帳消しになったと説明している。 ローリー氏は、EVに対する価格面の重圧は少なくとも2026年まで続くだろうとの見方を示した。