自分と真摯に向き合った中断期間が転機に? 横浜GKポープが4試合ぶり先発復帰で勝利に貢献。新体制での変化も明かす「要求されることが明確になった」
試合に出られていない状況を変えていけるように
[J1第25節]横浜 3-2 札幌/8月7日/日産スタジアム 横浜F・マリノスは8月7日、J1第25節で北海道コンサドーレ札幌とホームで対戦し、3-2で勝利。今季初のリーグ戦3連勝を飾った。 【PHOTO】大雨にも負けない大声援でチームの勝利を後押しした横浜F・マリノスサポーター! この試合で4試合ぶりにゴールマウスを守ったのがポープ・ウィリアムだ。ハリー・キューウェル前監督のもとでは正守護神として君臨してきたものの、22節のガンバ大阪戦を欠場すると、23節の鹿島アントラーズ戦では控えに回った。 その後に、指揮官が交代となり、ジョン・ハッチンソン監督の初陣となった24節のFC町田ゼルビア戦もベンチから見守ったポープは、今節の札幌戦で先発の座に返り咲くと、以前より高いラインを敷くディフェンス陣の背後のスペースをしっかりと埋め、ビルドアップでも安定したプレーを披露。13分と58分にゴールを割られたが、どちらもディフレクションからの失点でGKにとってはアンラッキーでもあった。 試合後、ポープは次のように振り返った。 「まずは試合に出られたことが個人的にポジティブですし、久々のゲームでしたけど、立ち上がりから落ち着いてやれた。よりチームが流動的になったなかで、ビルドアップ時の選択肢が前より増えて、僕は(在籍)1年目ですけど、少しずつマリノスのアタッキングフットボールが戻ってきているというか、みんなの目ざしてきたものが明確になってきている」 ハッチンソン体制での手応えも口にする。 「ビルドアップはボールの動かし方で前進しやすくなった。前はウイングに(ボールを)預ける形でしたけど、今は縦パスを入れたりとか、本来自分たちがやりたかったことをやり始められている。最終ラインもハリーの時より高くなって、(自分に)要求されることが明確になったので、ポジションが取りやすくなった」 リーグ戦が2週間半の中断に入る前の町田戦後に話を聞いた時、ポープは「試合に出られていない状況があるので、中断明けからしっかり変えていけるように、良い時間にして次に向かっていきたい」と語っていたが、その中断期間は充実した時間になったようだ。 「ゴールを守る部分だったり、コンディションの部分でマッチしない時期が続いてしまって、どう自分と向き合っていくかってところは、この中断期間もオフも、ほとんど休まずにやってきたので、それがポジティブに働いている。休んでいる場合じゃないなって感覚でしたし、その積み重ねが少しずつフィットしてきている」 さらに続ける。 「自分のプレーに納得ができていない状態のなかで、フィジカル的に少し落ちた部分があった。日頃からいろんなことを考えながらやっているつもりでしたけど、トレーニングの負荷だったり、少しやりすぎたのがちょっと裏目に出たのかな。中断の間に少しアプローチを変えて取り組んだら、自分の中でポジティブな感覚に変わってきたので、そこは良かった」 真摯にサッカーに取り組む29歳は、ひとつしかないポジションを勝ち取るために、日々努力を続ける。これからどんなプレーを見せてくれるか楽しみだ。 取材・文●金子徹(サッカーダイジェスト編集部)