“冬の時代”の元アイドルが次々復活 きっかけ作る元CoCo宮前真樹「今だからこそファンと再会できた」
元Qlairの吉田亜紀さんが1月に引退以来、初のステージに立つ
――CoCoの妹グループとして91年にデビューした3人組・Qlairの今井佐知子さんは2023年に久々に人前で歌唱すると、翌24年9月には宮前さんのプロデュースで新曲CDをリリースしました。 「さっちゃん(今井佐知子)は、ファンにありがとうと言えずに引退したことをずっと後悔していたので少しだけ背中を押させてもらいました。でもステージで歌った瞬間の幸せそうな顔を見て『さっちゃんは、いつまでもファンのみんなに幸せを与えられるアイドルなんだ』って私の方がうれしかったかも。私はどちらかというとアイドルよりオタク側の人なので、キラキラしているアイドルさんを横で見ているのが幸せなんです(笑)」 ――一方でアイドル仲間の宍戸留美さんはデビューから今もずっとアイドルとして活動を続けています。 「留美ちゃんは、尊敬するアイドルです。SNSの使い方もそうだし、若い子のプロデュースや声優としても活躍していますし、フリーランスのアイドルとして今も新しいジャンルを開拓し続けている方なので私たちと並べたら失礼だと思っています。アイドルを辞めた人間だからこそ余計に留美ちゃんのすごさが分かって、一緒のステージに上がった時の存在感は誰よりもすごかったです」 ――今年は年明けから1月18日、19日と2日間連続でイベントを開催します。 「18日は昭和アイドルアーカイブスさんのイベントで『アイドルアーカイブス特別版~冬歌 乙女塾~』と題して、乙女塾出身のアイドルちゃんの曲を出演者と一緒に歌います。ゲストには、なんと元Qlairのセンターだった吉田亜紀ちゃんが登場します! もう2度とステージには立たないと思っていたので、引退以来、初となる超サプライズの歌のステージは必見です。私たちも楽しみに準備をしているところです。そして19日は2年ぶりの私のバースデーライブ『宮前真樹 52th BirthdayLive2025』を開催します。昨年、さっちゃんがステージで歌っている時の幸せそうな顔を見て、『私ももう一度ファンのみなさんの前で歌いたいな』って思いました。昼夜の2部制で夜はソロライブで、お昼のゲストは、(花島)優子ちゃん、元Melodyの望月まゆちゃん、元Tiaraの渡辺幸恵ちゃん、俳優としても活躍した山口リエちゃん、そして、こちらも引退以来初めてのステージに立つ元アイドルの胡桃沢ひろこちゃんが登場します。MCは今井佐知子で、さっちゃんが脱線しないか今から心配です(笑)」 ――元アイドルの輪が、この3年の間にどんどん広がっていますね。 「亜紀ちゃんの出演は、さっちゃんがきっかけを作ってくれました。誰かが誰かを呼んでくる、という面白い現象になってきたと思います。でも、あんまり無理にその輪を広げたくはないんです。別に大きなイベントをやりたいという野望もありません。みんな家庭やお仕事などそれぞれの持ち場がある中で、時々ファンのみんなと一緒に集まるオフ会の延長みたいな感じで続けられたら十分です。あとは当時のアイドルの曲にも魅力的なものがいっぱいあるので、埋もれないように歌いつないでいけたらいいなと思っています」 ――ファンのみなさんもマナーが良くて、すごくいい距離感を保っています。 「それが、こういう自主イベントを続けられている大きな理由だと思っています。普段(自身が)スイーツを販売する時もお客さんとして来てくださる方もいらっしゃるんですが、ライブとは違ってきちんとした距離感で接してくださるので、私たちは本当に大切にされているんだなって感じます」 ――宮前さんが歩んだこの3年間は、どんな発見がありましたか。 「アイドルもファンの方々もお互いに今日までいろんなものを背負いながら『一生懸命、生きてきたんだな』って感じました。それを乗り越えた今だからこそ、共有し合える時間ができたのかなって。そして仲間に会いたいと思ったら会いに行ったり、連絡を取り合ったりした方がいいって、あらためて思いました。こういうことを何歳まで続けられるのか考えることもありますが、楽しく平和なイベントを企画して仲間がいるうちは続けていけたら幸せなのかなと思います。今年は、イベント企画やプロデュース業にもトライしてみようと考えています」 □宮前真樹(みやまえ・まき) 1973年1月16日生まれ、新潟県出身。料理研究家。89年にテレビ番組から誕生したアイドルグループ・CoCoの一員としてデビュー。94年にグループは解散し、タレントとして活動。2004年、「食」を本格的に学ぶため30歳で芸能界を引退。フランスの名門料理学校ル・コルドンブルーで学び、10年に青山と蒲田にイタリアン「エムナチュール」をオープン(現在は両店舗閉店)。21年にロールケーキブランド「maq bon」を立ち上げ、グルテンフリー・低糖質ロールケーキを販売している。国際食学協会親善大使・名誉理事を務める傍ら、自らの経験をもとに「体に優しい食事」を提案。「犬の食事」にも力を入れている。
福嶋剛