日本茶の香り漂う中、就活の勇気わかすカフェ…職場体験などで若者支援
大阪市西区の 靱(うつぼ)公園に隣接するカフェ「CHASHITSU time(チャシツタイム)」で今秋、仕事に就いていない若者らを対象にした職場体験が始まった。日本茶の香りが漂う中、「働くことに挑戦したい」と願う若者たちの背中を押す取り組みだ。(森知恵子) 【写真】就労支援が行われるカフェ「CHASHITSU time」(大阪市西区で) カフェは若者の就労支援に取り組むNPO法人「HELLOlife(ハローライフ)」が2013年から、事務所の入る建物の1階で運営する。日本茶にこだわり、ゆったりとした空間の中、客自身が本格的な茶器でお茶を入れながらくつろげる。
同法人は9月から、「はたらくリズムをととのえるコース」と銘打ち、カフェでの職場体験の参加者を募集。対象は15~49歳で、就職を考えながらも「仕事を辞めてからブランクがある」「自信がなくて就活ができない」などの悩みを抱える人だ。 カフェで販売する菓子作りや接客を体験する。1日と5日、9日間の3コースがあり、いずれも無料で参加できる。さらに就活を始めるにあたって必要な基礎知識やノウハウを伝えるサポートもある。
これまでに体験した30歳代の男性は、同法人のスタッフに「菓子一つを作るにも大変な作業なのだと実感でき、いい経験になった」と感想を伝え、働くイメージを少しずつつかむことができたという。 この取り組みは、大阪市地域若者サポートステーション(サポステ)と連携しており、サポステの総括コーディネーターは「就活につまずいた若者は、学校を卒業すると社会とのつながりがなくなり、孤立しがち。支援者や、同じように悩む仲間と出会える場所は大切だ」と話す。
今回の取り組みの前に菓子作りを経験し、今はカフェでアルバイトとして働く女性もいる。同法人代表理事は「カフェに行く感覚で、気軽に参加してほしい。迷っている人は、まずはお茶でほっとしに来て」と呼びかけている。 問い合わせは、サポステ(06・6147・3285)へ。