尾上右近&Travis Japna 松田元太、『ライオン・キング:ムファサ』劇中歌を初披露
12月20日に公開される『ライオン・キング:ムファサ』の劇中歌「ブラザー/君みたいな兄弟」お披露目イベントが11月12日に都内で行われ、超実写プレミアム吹替版にてムファサ役を演じる尾上右近と、ムファサの兄弟タカ(若き日のスカー)役の松田元太(Travis Japna)が登壇した。 【写真】仲睦まじげな様子の尾上右近と松田元太 壮大なアフリカの大地を舞台に、“生命”をテーマに描かれた一大叙事詩『ライオン・キング』。アニメーション映画として誕生し、2019年には超実写版『ライオン・キング』として全世界で公開され、ディズニー映画として世界歴代映画興収1位となる約16.6億ドルを記録した。本作は、その原点にして“はじまりの物語”。孤児から王へ自身の力で運命を切り拓くムファサと、王の血筋を受け継ぐ“弟”タカ。血のつながりを超えた“兄弟の絆”に隠された、驚くべき秘密を描く。 右近と松田の初共演の舞台となったのは、『ライオン・キング:ムファサ』の荘厳なビジュアルで彩られたスペシャルステージ。それぞれが演じるキャラクターをイメージした衣装に身を包み笑顔で登場した2人は、会場に集まったファンたちに盛大な拍手で迎えられた。 若き日のムファサを演じた右近は、自身の役柄について、「両親と生き別れになって孤児となってしまうんですけど、流れ着いた先で助けてくれたのがタカ。血のつながりを超えた兄弟の絆が生まれ、希望溢れる地に旅立ち、その先でいろんなことが起きて変わっていくキャラクターです」と説明。一方、ムファサの運命を変えることとなるタカを演じた松田は、「ヤングタカ(幼いころのタカ)の時代は自分のカラーも出しつつタカに寄り添いながら明るく元気にできました。スカーになるというタカのマインドや思いを大事に演じるのが難しかった部分でもあるし楽しくもありましたね」とタカの劇中での変化について話し、2人に待ち受けるドラマにも注目してほしいと語った。 今作が初共演にもかかわらず、お互いすっかり打ち解けている様子の右近と松田。お互いの印象について、右近は「直接会う前からげんげん(松田元太)のことは知っていたが、実際に会ってさらに好きになった。リスペクトしてくれ、気遣ってくれ、甘えてくれ、信じてくれる。この関係値に非常に感謝しています」とコメント。松田は「初めてご挨拶したときに、“けんけん”って呼んで、”げんげん”って呼んでいい?と言ってくださった。すごく明るくて優しくてユーモアがある素敵な先輩、そしてお兄ちゃんというふうに感じて、より大好きになりました。日々大好きを更新しています」と初対面時のエピソードを明かしながら右近への思いを語った。 2人は今回が声優初挑戦。収録について聞かれると、右近は「オリジナルに寄り添う部分と、決められた秒数で喋ることに縛られる部分がありました。収録初日電車で帰っていると、人の会話が何秒かカウントしてしまうほど大変でしたね。でも、歌舞伎も型があってそこに入っていくので、通ずる部分があると思って次第に楽しく演じることができました」と収録を回顧。松田は歌唱についても触れ、「今回歌ったのが“ザ・ディズニー”という歌だったのですが、普段聞くのは大好きですが、いざ歌うとなるとテンポ感とかいろいろと難しくて……。気楽に歌ったらダメだなと思いました(笑)。普段歌うJ-POPとは違う、お芝居やセリフの延長と感じて、難しくもありましたが楽しかったです。自分がライオンになった気分でずっとエキサイティングでした」と収録を振り返った。 本作の大きな見どころのひとつとなるのが、ディズニー作品には欠かせないミュージカルナンバー。ブロードウェイミュージカル『ハミルトン』で数々の賞を受賞し、『モアナと伝説の海』や『リトル・マーメイド』でも知られるリン=マニュエル・ミランダが本作の楽曲を手がけた。数ある楽曲の中から、この日、劇中歌「ブラザー/君みたいな兄弟」が初披露されるということで、楽曲の魅力について聞かれた右近は「お互い兄弟として出会えた喜びと、これからも一緒だよという絆が伝わる、ふたりの仲の良さが伝わる曲」とコメント。松田も「兄弟の絆を大事にしながら、ムファサとタカのハモリを意識しながら歌いました」と楽曲でも兄弟の絆が存分に感じられるとアピールした。 そして、右近と松田が、ムファサとタカの“兄弟の絆”を歌う劇中歌「ブラザー/君みたいな兄弟」を初パフォーマンス。2人は、何度も目を合わせながら息ぴったりに歌いあげ、観客からは割れんばかりの拍手が起こった。 初パフォーマンスを無事に終えた2人は、「歌を通じて、お互いの存在をより強く感じられました」(右近)、「ムファサとタカの絆を感じるし、映画を楽しみにしてくれているファンの方との絆も感じられて嬉しかったです」(松田)とそれぞれ心境を吐露。会場の熱気が冷めやらず、なんと会場からはアンコールのリクエストが。またも「ムファぶり(無茶ぶりの意)」を受けることとなった右近は「もうムファぶりに慣れて実はまた来ると思っていました!」と笑った。大興奮の観客の拍手とともに再度歌いだした2人。無邪気なライオンのように飛び跳ねながら歌う右近と松田によるサプライズ演出に、この日一番の大歓声が起きた。 会場の熱気が冷めやらない中、自らも映画公開を待ちきれない様子の松田は最後に改めて「いつかディズニーのお仕事をするのが夢でした。僕もディズニーからすごく愛や希望や夢をもらっていた“いちファン”だったので、今回この作品に出会えて本当に嬉しい気持ちでいっぱいです。『ライオン・キング:ムファサ』のタカとして、ムファサ役のげんげんと一緒に、皆さんに愛を届けられたらいいなと思っています」とコメント。右近も、「『ライオン・キング』は30周年で、僕も今32歳と同年代なので、一緒に育ってきたという想いがあります。もともとディズニー作品は好きだったのですが、実は僕が歌舞伎俳優を目指したきっかけも鏡獅子というライオンの演目だったこともあり、『ライオン・キング』は特別な存在でした。僕の人生もライオンから始まっているので、今回ディズニー作品でもライオンの役を務めさせていただくことがとても嬉しいです」とムファサへの溢れる想いを語り、「今回、ムファサは孤児という設定ですが、僕も歌舞伎俳優の家に生まれたわけではなく、兄弟や兄貴のような存在に救ってもらってやってきたという部分もムファサと重なるので、そういった自分の人生観のすべてを吹き込ませていただきました! ぜひ皆さん観てください!」と、映画公開を待つファンに向けてメッセージを贈った。 その後のフォトセッションでは、本作の大ヒットを祈願し、ムファサとタカにちなんだ招き猫ならぬ“招きライオン”が登場。右近と松田は楽しそうに“ガオーポーズ”で撮影に応じ、大盛況のうちにイベントは終了した。
リアルサウンド編集部