運転士不足が深刻、福井鉄道さらなるバス廃止検討 かれい崎―田原町「福浦線」は9月いっぱい
路線バスの深刻な運転士不足を受けて福井鉄道(本社福井県越前市)は5月28日、4月の一部路線の廃止に続き、7路線で来春までの廃止や減便を視野に運行の効率化を検討する方針を示した。京福バス(本社福井県福井市)も6、10月に大幅な減便やダイヤの見直しを検討しており、市民生活への影響拡大が懸念される。 【写真】福武線も運転士不足で減便に 福井県福井市内で同日開かれた路線バス人材確保緊急対策会議で、福井鉄道の吉川幸文社長が説明した。会議は冒頭を除き非公開で、県や17市町の担当者を交えて現状や今後の支援策について話し合ったという。 会議後、報道陣の取材に応じた吉川社長は、10月1日から越前町と福井市を結ぶ路線バス「福浦線」(かれい崎-田原町)を廃止する方針を明らかにした。嶺北、嶺南の9市町で運行する16路線のうち、利用者の少ない他の6路線についても「来春までには運行の効率化を図りたい」とし、廃止を含めた減便の検討を進める考え。同社は今年4月1日、越前市と越前町を結ぶ武生越前海岸線の安養寺経由の路線(1往復)を廃止している 同社によると、福浦線は現在、平日で田原町発4便、かれい崎発3便を運行。越前町の丹生高前を通る唯一の路線だが、一部停留所が重複する「鯖浦線」(かれい崎-神明駅)のルート見直しや鉄道利用で代替手段は確保できるとしている。 吉川社長は、路線バス運行の適正人員約90人に対し、現在約10人足りないことも説明。運行効率化の検討について「廃止ありきではなく、沿線市町の理解を得ながら進めたい」と話した。 また、京福バスの岩本裕夫社長は報道陣に対し、10月に予定する廃止や減便などの具体案を近く公表する意向を明らかにした。
福井新聞社