J1札幌 開幕から1分け5敗…1勝を逃すもペトロヴィッチ監督「本来の戦う姿は示せたゲームだった」
◆明治安田J1リーグ▽第6節 札幌 1―2 名古屋(3日、札幌ドーム) 北海道コンサドーレ札幌の今季初勝利はならなかった。ホーム・名古屋戦は前半30分、DF馬場晴也(22)のプロ初ゴールで先制。しかし後半10分にPKから同点とされ、同45分に勝ち越し弾を許し、1―2で敗戦。5連敗で開幕から1分け5敗となった。1―6で敗れた前節・神戸戦から一転、前線からの果敢な守備とダイレクトパスで攻勢を強めたが、リードは守り切れなかった。 らしさは見せた。しかしまたしても、札幌が勝利を手にはできなかった。開幕・福岡戦の0―0引き分け後、勝ち星なしの5連敗。ペトロヴィッチ監督は会見の冒頭、3秒の沈黙のあと、言葉を絞り出した。「32年間の監督キャリアの中で、最も残念なゲームの1つと数えていい。内容が素晴らしかっただけに、勝利できなかったのは非常に残念だし、悔しく思う」。ため息も交えながら、そう漏らした。 開始から流れはつかんでいた。前線から体をなげうち、果敢にボールを追った。止めて蹴るではなく、5試合ぶりの戦線復帰でボランチに入った宮沢裕樹(34)を中心に、長短のダイレクトパスを繰り出しながら、敵ゴールに迫った。前半30分には馬場がプロ初ゴール。今季初めて先制点を奪うも、リードは守り切れなかった。 最下位でJ2に降格した12年の開幕7戦白星なしに続く苦境打破へ、策は尽くしてきた。前節神戸戦翌日の3月31日、急きょ、札幌U―18との練習試合を組んだ。当初はオフの予定も、福岡戦で負傷し、離脱中だったMF宮沢と近藤の状態を確認すべく、40分のプレー機会を与えた。宮沢には試合前日2日の練習後、指揮官が綿密に指示。5試合ぶりに起用されたフィールド最年長は、プレーと声で仲間を鼓舞し、期待に応えた。 良さは随所に出した中も、遠かった勝ち点3。苦境は続くが、ペトロヴィッチ監督の「本来の戦う姿は示せたゲームだった」という言葉は、決して強がりではない。トンネルを抜け出せる可能性に満ちた内容は、この日、確実に見せることはできた。(砂田 秀人)
報知新聞社