「言うことを聞かない子ども」の悪習慣を変える、心理学的な1つの手法
夕飯の前にお菓子を食べたいと言ったり、いつまでもYouTubeを見て夜更かしをする子ども...。悪習慣をやめさせようと叱っても、逆に反抗心を持たれてしまうケースがあります。どうしたら反抗心を煽らず、やめさせることができるのでしょうか? 一般財団法人日本キッズコーチング協会理事長の竹内エリカさんが解説します。 【マンガ】「話を聞かない系男児」のバッグが異常に重い理由 ※本稿は、 竹内エリカ著『心理学に基づいた 0歳から12歳 やる気のない子が一気に変わる「すごい一言」』(KADOKAWA)から、一部抜粋・編集したものです。
ずっと動画を見ているのをやめさせたいとき
× 動画ばかり見ていちゃダメ! 〇 見てもいいよ。あとひとつだけね ・させたくないことがあっても「~しちゃダメ」は避けて 勉強してほしいのに、テレビを見たりゲームをしたりと、一向に勉強する気配を見せない子ども。そんなとき、つい「遊んでばかりいちゃダメ」「ゲームはダメ」という言葉をかけてしまうものです。 しかし、「遊んでばかりいないの」と言われて、子どもは「はい、わかりました」と言うでしょうか? 「ゲームはダメ」と言われて「はい、すぐにやめます」と言うでしょうか? そんなに素直だったら、子育てはもっと簡単なはず。「勉強しよう」と意欲的になってくれることはなかなかありません。 「もっと遊びたい!」「みんなもゲームやってるもん。なんで僕だけダメなの?」などと反論が返ってくることが多いはずです。実はこれには論理的な理由があります。 これが、心理的リアクタンスのタイプ「禁止型」。「カリギュラ効果」と呼ばれる現象で、禁止されることで逆に「やりたい」という心理が働くというものです。 現象の名前は、1980年にアメリカで放映された映画「カリギュラ」に由来しています。内容がとても過激なために上映禁止になったのですが、それがかえって人々の関心を引いて、大ヒットにつながりました。「見るな」と言われると見たくなってしまう人の心理ですね。 これは子どもにも通じるもので、「宿題をやらないと遊んじゃダメ」と言われると遊びたくなり、「テレビをつけちゃダメ」「YouTubeは見ちゃダメ」と言われるとテレビやYouTubeが見たくて仕方がなくなってしまうのです。 大人も一緒ですね。甘いものを控えようと思うと、ついおいしそうなケーキが食べたくてたまらなくなるとか、今日は早く寝ないといけないと思うともう少しだけ起きていたくなるとか。そんな経験はないでしょうか? 人はしてはいけないと禁止されるほど、そのことばかり考えるようになってしまうのです。 効果的な方法に「いいよ話法」があります。 いいよ話法とは、まずは「いいよ」と受け止めたあとに「◯◯したらね」と条件を出す会話法のこと。「ダメ」と言うと反抗心を刺激するので、まず肯定してあげるのが効果的です。声かけ例を含めて次項で具体例を紹介します。