「言うことを聞かない子ども」の悪習慣を変える、心理学的な1つの手法
「お菓子食べたい!」と要求してきたとき
× ごはんが食べられなくなるからダメ! 〇 いいよ。ごはんを食べたあとでね ・「いいよ」と言った数だけ、子どもの才能が伸びる 子どもが「お菓子食べたい!」「もっと遊びたい!」とおねだりをしてきたとき、反射的に「ダメ!」「ごはん食べられなくなっちゃうでしょ」「もう寝る時間よ」などと言ってしまうものです。 心や時間に余裕がないとつい「ダメ」と答えてしまいますが、このときの声かけにひと工夫することで子どもの反応が変わっていきます。 おすすめしたいのが、「いいよ話法」です。相手が言ってきたことをまず「いいよ」と受け入れ、そのあとに条件を出すというテクニックです。 たとえば、「お菓子食べたい!」と言われたら、「いいよ。ごはんを食べたあとでね」というように。「ダメ! まだごはん食べてないんだから」と言うのとでは、同じ意味でも受ける印象は全く違いますね。 いいよ話法をとることで、子どもの反抗心を煽らないだけでなく、子どもが自由に発言できるようになります。 まず「いいよ」と受け入れてあげることで、子どもは「肯定された」と感じます。そこで満足する場合もありますし、やっぱり食べたいと思った場合は交渉に進むこともできます。 その場合は、 子ども「やっぱり食べたいな」 親「でも今食べたらごはん食べられなくなっちゃうよね」 子ども「ごはんもちゃんと食べるから」 親「じゃあ1個だけにしようか」 のように、少しずつ譲りながら話を進めることで、子どもに交渉力が身につきます。 交渉力が身につくと、子どもは賢くなります。何か問題が起きても「じゃあこうしたらどう?」と提案して着地点が見出せるようになり、できないことが少なくなっていきます。100%願望が叶えられなくても自分の中で合点がいくようになり、精神的にも不満を減らせるようになるのです。
・0~2歳への声かけ 今では小さい子でもスマホやタブレットに触れられる環境があります。YouTubeなどの動画は視覚的な刺激が強く、子どもが一度見始めたらやめられなくなります。 「もっと見たい!」とねだってきたら、「いいよ。でもあと1本にしようね」と言うといいでしょう。その際、子どもが見続けてしまわないよう、YouTubeの自動再生設定をオフにする、YouTubeではなくDVDを活用するなどすれば安心です。 ・3~6歳への声かけ 買い物に行ったとき「お菓子買って!」と騒ぐ子は多いですね。「ダメだよ」と言っても「はい、わかりました」とは言いませんし、「やだ! 買って買って」とさらに大声で騒ぐ場合も。 そんなときは「いいよ。この買い物が終わったら100円分だけね」と言ってみてください。騒いでいた子どもも、心がラクになるはずです。 ・7~12歳への声かけ この年齢になるとゲームにハマる子が多く、「ゲーム買って」とねだられることもありますね。「友達はみんな持ってるのにどうして僕だけダメなの?」と言ってきたりもします。 高価なものも多いゲーム機器。「高いからダメ」と言いたくなりますが、そこで「いいよ。ただしお母さん・お父さんを説得できたらね」と言ってみてください。子どもは説得するための理由を必死で考えるでしょう。反抗心は確実に収まります。
竹内エリカ(一般財団法人日本キッズコーチング協会理事長)