若者の最低生計費は27・4万円 時給1582円が必要な試算 「健康で文化的な生活」送るには 2016年より13・6%上昇 30歳未満の若年単身世帯で想定 埼労連調査
埼玉県労働組合連合会(埼労連)は10月31日、若年単身世帯(20歳未満~30代)が「健康で文化的な生活」を送るための最低生計費調査の試算結果を報告した。男性が月額27万4915円、女性が同27万4277円(いずれも税・社会保険料込み)で、2016年の試算結果(25歳男性・24万1879円)から13・6%上昇した。 最低生計費27・4万円の根拠は? 「今」の若者リアルに分析 必要な物品を一つ一つ積み上げ試算 利用頻度の高い量販店の価格も調査 家電や洋服、衛生用品まで多岐にわたり
調査は今年4月からアンケートを配布し、2047部を回収。若年単身世帯の回答は153部だった。生活実態調査、持ち物財調査、価格調査と食糧費、住居費などの試算結果を組み合わせた。家具や被服、理美容用品などは7割以上の保有率の物を必需品と考え、耐用年数などを考慮した上でそれぞれの費用ごとに積み上げて算定した。 調査を監修した静岡県立大学短期大学部社会福祉学科の中沢修一准教授は「最低賃金審議会が使っている月の労働時間(173・8時間)で換算すると1582円。かつて政府が目標としていた月150時間で換算すると1833円という金額になる。速やかに最低賃金の引き上げが求められる」と主張した。 16年調査に比べ食費が35・3%、水道・光熱費は48・6%と共に上昇。中沢准教授は「今回の物価高騰は生活を直撃している。これまで政府は1500円に上げると宣言しただけで何も決めなかった。何年までに上げる、全国一律にすると決め、実行力のある支援策を打ち出す段階」と訴えた。