今年の冬は越せないかもしれない…職を失った〈年金月5万円〉〈築50年のアパートに住む〉75歳女性が生活苦。ある日、緑色の封筒に入った「年金生活者支援給付金請求書」に涙
ついこの間、11月でありながら記録的な高温を記録したと思えば、今度は記録的な低温を記録。クローゼットから急いで冬物を引っ張り出した人も多いのでは。冬本番というなか、悲壮感にあふれる高齢者の姿がありました。 【ランキング】都道府県「生活保護者率」…ワースト3位は「沖縄」2位は「東京」僅差のワースト1位
仕事を解雇された75歳高齢者、なかなか仕事は見つからず生活は困窮
今年の冬は越せないかもしれない……と吐露するのは、木村京子さん(仮名・75歳)。 ――お金はないし、仕事もないし……どうやって生きていけばいいのか 昨年、勤めていた工場で人員整理がありました。業績不振によるもので、まっさきに選ばれたのが木村さんでした。仕事は探しているもののなかなか見つからず、苦しい日々が続いています。 ――70代だと厳しいというところが多いですね…… 総務省『労働力調査』によると、2023年、65歳以上の完全失業者は全国16万人。近年、高齢であっても働きたいという意欲を示す人が増加傾向にあることからも、65歳以上の完全失業者は15万人程度で推移しています。 【65歳以上の完全失業者*の推移】 1990年…3万人 2000年…11万人 2005年…10万人 2010年…14万人 2015年…15万人 2020年…16万人 2021年…17万人 2022年…15万人 2023年…16万人 *「仕事についていない」「仕事があればすぐつくことができる」「仕事を探す活動をしていた」にすべて当てはまる人 生活のベースとなるはずの年金は月5万円程度。満額支給であれば6万8,000円(令和6年度)ですが、若いころ、生活が苦しく、保険料を納めていないときがあったとか。 厚生労働省『令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況』によると、老齢基礎年金だけを受け取る人たちで、受給額が月5万円未満なのは全体の25.6%と、4人に1人の水準。ちなみに、老齢厚生年金受給者で月受給額が5万円未満の人たちは2.06%と、50人に1人の水準です。 ――大変ですよ、底辺の暮らしは 住まいは家賃1万2,000円、築50年の賃貸アパート。道行く人から「本当に人、住んでいるの?」と声が上がるような外観だといいます。木村さん、それでも「住むところがあるだけ、幸せですよ」と言います。また何でも「高い!」と感じる昨今。節約のため、できるだけ電気・ガス・水道を使わない生活を送る木村さんですが、昨今の寒さはすきま風入るアパートではツラく、冒頭、「冬を越せないかも……」の弱気な発言につながっていました。
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