11月の負債1,000万円未満の企業倒産46件 2023年1-11月累計は440件、前年の年間件数を超す
2023年11月「負債1,000万円未満」倒産状況
2023年11月の負債1,000万円未満の企業倒産は、46件(前年同月比4.5%増)で、5月から7カ月連続で前年同月を上回った。2023年1-11月累計は440件に達し、前年の年間件数(410件)を超えた。 負債1,000万円未満の企業倒産が前年を上回るのは3年ぶり。経済活動が本格化するなか、企業倒産は小・零細規模から中堅規模まで広がっている。 産業別では、最多がサービス業他の21件(前年同月比±0.0%)。次いで、建設業8件(同14.2%増)、小売業(同42.8%減)と情報通信業(同100.0%増)の各4件と続く。 原因別は、販売不振が32件(同14.2%増)と約7割(構成比69.5%)を占め、小・零細企業は業績不振から抜け出せず、経営再建が難しいことを示している。 資本金別は、1千万円未満(個人企業他を含む)が43件(前年同月比7.5%増)で、9割以上(構成比93.4%)を占めた。 形態別は、46件すべてが消滅型の「破産」だった。2023年に負債1,000万円未満の倒産がすべて「破産」は、3月、4月、8月を除く8カ月となった。 負債1,000万円未満の倒産は、小・零細企業がほとんどのため、業績回復が遅れて過剰債務も解消できず、先行きの見通しが立たないまま事業継続をあきらめるケースが多い。 実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の返済がピークを迎えるが、物価の上昇が続き、人材確保のための人件費上昇もあり、資金負担は増している。 政府は、金融機関に企業の再生支援に取り組むように促すが、負債1,000万円未満の企業は小・零細規模が中心で、金融機関の支援の目が行き届かない可能性もある。こうした企業に対しては、金融機関だけでなく、再生ファンドや商工会議所など外部機関と連携した支援体制も必要だろう。 ※本調査は、2023年11月に全国で発生した企業倒産(法的、私的)のうち、企業倒産集計(負債1,000万円以上)に含まれない、負債1,000万円未満の倒産を集計、分析した。