11月の負債1,000万円未満の企業倒産46件 2023年1-11月累計は440件、前年の年間件数を超す
【形態別】2カ月連続で消滅型の破産が100.0%
形態別では、46件すべて「破産」だった。倒産すべてが「破産」は、2023年は1月、2月、5月、6月、7月、9月、10月に続いて、8度目。また、11月としては、「破産」が100.0%は2016年以来、7年ぶりのこと。 負債1,000万円未満の倒産はほとんど小・零細企業で、経営再建には資金的・人的な要因からハードルが高く、事業継続を断念して破産を選択するケースが多い。 一方、再建型の民事再生法は3年ぶり、会社更生法は、2009年以降の15年間で11月としては、それぞれ発生がなかった。 また、特別清算は3年連続、取引停止処分は4年連続で、それぞれゼロだった。
【原因別】販売不振が約7割
原因別は、最多が「販売不振」の32件(前年同月比14.2%増)で、11月では4年ぶりに前年同月を上回った。構成比は69.5%(前年同月63.6%)だった。 このほか、代表者の病気や死亡を含む「その他」が3件(前年同月比200.0%増)で、2年ぶりに前年同月を上回った。また、「事業外の失敗」が1件で、4年ぶりに発生した。 一方、「他社倒産の余波」が3件(同62.5%減)で、2年ぶりに前年同月を下回った。 「事業上の失敗」4件と「運転資金の欠乏」2件、「既往のシワ寄せ(赤字累積)」1件は、それぞれ前年同月と同件数だった。 負債1,000万円未満の倒産は、小・零細企業が多く、取引先も限定されるだけに、販売不振から抜け出すことは容易ではない。
【資本金別】1千万円未満が9割超
資本金別は、1千万円未満が43件(前年同月比7.5%増)で、2年連続で増加した。構成比は93.4%(前年同月90.9%)で、2.5ポイント上昇した。 内訳は、「1百万円以上5百万円未満」(前年同月比25.0%増)と「個人企業他」(同±0.0%)が各15件、「1百万円未満」が8件(同60.0%増)、「5百万円以上1千万円未満」が5件(同37.5%減)だった。 このほか、「1千万円以上5千万円未満」が3件(同25.0%減)で、2年ぶりに前年同月を下回った。また、「5千万円以上1億円未満」と「1億円以上」は、2009年以降の15年間で発生はない。