【高校野球】智弁和歌山7年ぶりの決勝 “強打の2番”福元聖矢2打席連発 4打点大暴れ
◆秋季近畿地区大会 ▽準決勝 智弁和歌山―市和歌山(3日・ほっともっとフィールド神戸) 来春センバツ(25年3月18日開幕・甲子園)出場校選考の重要な参考資料となる秋季近畿大会は、準決勝2試合が行われ、智弁和歌山(和歌山1位)が市和歌山(同3位)との和歌山対決を制して、2017年以来、7年ぶりの決勝進出を決めた。2番・福元聖矢右翼手(2年)が2打席連続2ランを放つなど、4打点と大暴れした。東洋大姫路(兵庫1位)は、天理(奈良)に7回コールド勝ち。2007年以来、17年ぶりの決勝へ進んだ。 初球を振り抜いた。勝ち越した直後の5回2死一塁、2番・福元が捉えた打球は右翼スタンドに飛び込んだ。さらに、7回1死三塁でも初球からスイングし、5球目のチェンジアップを右ポール際へ運んだ。2打席連続となった高校通算16号&17号に「相手が市高(市和歌山)で、近畿大会と言うこともあって、より一層気合いが入っていた。すごく自信になった」と胸を張った。 今夏の甲子園は「1番・右翼」で出場も、5打数無安打3三振、失点につながるミスもあり、霞ケ浦(茨城)に初戦敗退を喫した。「思い切りのなさが自分の欠点。チャンスこそ初球から」。自身の弱さを追求し、練習の最後までバットを振った。夏の後悔から心掛けた積極的な打撃が、傾きかけた流れを一気に戻した。 兵庫県出身。進学時には複数校から誘いもあったが、中谷仁監督(45)に「よそと迷うならうちには来なくていい」と言われ、「逆にやってやろうと思った」と門を叩いた。当初は捕手。こだわりもあったが、結果が出ない日々に「限界だった」と、今年1月に外野手に転向した。苦しんだ中で培った配球への考え方は、打撃で強みになっている。 春夏42度の甲子園出場を誇る名門だが、秋季近畿大会で頂点に立ったことはない。「野球部が始まって以来、神宮大会に一度も出ていない。次勝って神宮大会に出たい」と福元。“強打の2番”が、チームを秋の全国舞台に導く。(瀬川 楓花) ◆福元 聖矢(ふくもと せいや)2007年5月19日、兵庫県生まれ。17歳。小学1年から猪名川ヤンキースで軟式野球を始め、中学では大阪箕面ボーイズでプレー。智弁和歌山では1年秋に背番号2で初めてベンチ入りした。2年夏の甲子園は背番号9で出場。179センチ、85キロ。右投左打。
報知新聞社