「水切りスト」注目、石運ぶのにぴったりの米袋バッグがドイツへ 広島のスクールバッグメーカー考案のなぜ?
スクールバッグ製造の片岡商店(広島市中区)のある製品が、意外な分野で注目を集めている。米袋で作ったバッグだ。川面に石を投げて跳ねさせる「水切り」の石を運ぶのに最適だと、10月にドイツである水切りの大会の入賞賞品になったのだ。「頑丈さ」というスクールバッグメーカーならではの着眼点が、水切りスト(パフォーマー)の評価を得た。 【写真】「水切りスト」注目の米袋バッグ、ドイツ大会のPR画像でも片岡商店がスポンサーとして紹介 米を30キロ入れる紙袋(高さ80センチ幅49センチ底マチ10センチ)の上部分を使い、高さ約10センチの浅い舟形に仕上げた。水切りは石選びが重要で、石集めに浅くて口が大きく開く形が便利だという。すでに6個を現地に送った。職場体験に来た江波中(中区)の生徒のアイデアで、持ち手はドイツ国旗風の赤と黒にした。 開発者の片岡勧取締役は「使い勝手がいいのは何より丈夫だから」と強調する。石を10キロ入れても、ぬらしても破れない。米袋は強度の高いパルプで作られた紙が3枚重ねになっており頑丈だ。持ち手や口部分の耐久性は同社の縫製技術を生かしている。 実は片岡取締役自身の趣味が他ならぬ水切り。水切り界では石の運搬にプラスチックかごを使う人も多いが「米袋の方が頑丈な上、天然素材で景観にもマッチする」とひらいめた。川で出会った水切りストからも使い心地のお墨付きをもらった。 ドイツ大会につながったきっかけはインスタグラムだ。5月、石でいっぱいのバッグを地面にたたきつける「耐久性試験動画」を投稿すると、大会運営者から購入希望のメッセージが来た。片岡取締役が大会スポンサーとして提供を申し出た。 片岡商店のスクールバッグのうたい文句は「中学生に3年シゴかれても壊れない」。だから片岡取締役は「頑丈な米袋にひかれる。水切りから米袋が世界に広がったら面白い」と期待。高さ43センチの米袋バッグ(4400円)は販売中。水切り石用にPRする浅型も10月14日まで、東京・渋谷ロフトでテスト販売している。
中国新聞社