日本もラモスさんらの力を借りたが…スタメン11人中、9人が”外国人”そんな自国の代表に夢を抱く少年がどれくらいいるのだろうか
◇15日 サッカーW杯アジア最終予選C組第5戦 インドネシア0―4日本(ジャカルタ) 7万人観衆を敵に回した超アウェー戦。32度の高温。その上、試合直前に降り始めた雷雨の影響で、ピッチは超スリッピー。日本代表は立ち上がりからこの悪条件に苦しみ、ミスを連発してインドネシアのカウンター攻撃に苦しめられた。 それでも、終わってみれば日本が4―0の圧勝。急きょ、書類上の国籍を取得した選手を組み込んだインドネシア代表に、日本代表が負けるわけがない。森保ジャパンはC組2位以下に勝ち点差7をつけ、独走状態だ。 大きなお世話だが、インドネシア代表にもの申す。スタメン11人中、9人がインドネシア国籍を取得した”外国人”選手。W杯に出るためとはいえ、こんなインスタント代表チームに、夢を抱くインドネシアのサッカー少年がどれくらいいるのだろうか。 W杯北中米大会、W杯のアジア枠は8・5と大幅に増えた。FIFA(国際サッカー連盟)は、W杯に出場することで、出場国のサッカーレベルが大幅に上るという持論を展開し、W杯出場枠を48に増やした。そうかもしれない。しかし、その出場権を得るために、インドネシアみたいなやり方があっていいのだろうか。 かつて日本サッカー界も、日本国籍を取得したラモス瑠偉さん、呂比須ワグナーさん、闘莉王さんの力を借りた。日本サッカーリーグ、さらにはJリーグ誕生のころ、彼らの存在は日本サッカー界に欠かせないものだった。 彼らは若くして来日し、日本サッカー界で長く活躍してから日本国籍を取得。多くのファンに愛され、”日本代表”としても活躍。W杯出場の礎を築き、その後30年以上の月日をかけ、日本はW杯常連国となった。 歴史の積み重ね。2022年W杯カタール大会ではドイツ、スペインを破り、決勝トーナメント進出。クロアチアにPK戦で敗れ、8強入りを逃したが、日本の戦いぶりは世界に衝撃を与えた。そして次回北中米大会で悲願のW杯8強、4強入りを目指す日本は、アジア予選を圧倒的な強さで戦っている。 日本のサッカー少年は、三笘や久保、伊東、遠藤ら日本代表選手にあこがれてボールを蹴っている。そこには誰もが思い描く夢がある。(写真はAP) ◆大塚浩雄 東京中日スポーツ編集委員。ドーハの悲劇、94年W杯米国大会、98年W杯フランス大会を現地取材。その後はデスクワークをこなしながら日本代表を追い続け、ついには原稿のネタ作りのため?指導者C級ライセンス取得。40数年前、高校サッカー選手権ベスト16(1回戦突破)
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