【フックの勉強】釣り針のことがもっと分かる魔法の言葉『エントリーアングルθ』を覚えよう!【掛け?乗せ?】
魚とアングラーをつなげる際に、最も魚側にある大切な道具。それが釣り針です。簡単に言ってしまえばよく刺さって釣れる針ならなんでもよかったりするのですが、どうせならこだわりたい!そんな勉強熱心な釣り人のために、釣り針に関する入り口的なお話です。「エントリーアングルθ」。これを覚えれば釣り針が見えてくる…!? [写真]「見比べたら一目瞭然」色々なフック形状の写真ギャラリー
ちょっと難しい…?ハリの刺さりを物理的に見てみる
「釣り針が刺さる」という現象を物理的に見てみます。 ストレート形状のフックが今まさに刺さろうとしている瞬間です。 このとき、重要になるのが『エントリーアングルθ(シータ)』と呼ばれる角度。 もう一度図を見てみましょう。 まず、アングラー側に引っ張られて、フッキングの力が働く「向き」があります。このときフック全体がこの方向に動こうとするイメージになります。 そしてフッキングの力をもとに、針先が刺さっていこうとする「向き」があります。 これら2つの向きから導き出させる角度こそが『エントリーアングルθ(シータ)』です。 このエントリーアングルθなのですが、この角度をみることで、フックの性能(性格)をある程度予想することが可能なのです。
「刺さろうとする力」と「刺そうとする力」
ハリは常に針先の向きへと刺さろうとするのは感覚的にわかると思います。 次にハリを刺そうとする力の向き。例えば、縫い針を刺すならお尻から押し込むのが一番力が加わりますよね。一方、釣り針はその構造上、ハリ先を引っ張る方向に力が加わるのが普通です。 つまり、針が刺さるということは、押すか引くかの違いはありますが、刺さろうとする方向と同じ向きに力をかけることが普通なのです。 ところが釣り針は縫い針と違って、多くの場合、刺さろうとする力と刺そうとする力の向きが微妙にズレています。 そうです。 それが「エントリーアングルθ」なんです。
エントリーアングルθが大きいフック
刺さろうとする力と、刺そうとする力、これがズレていくほどエントリーアングルθが大きくなるわけですが、そうするとどうなるのでしょうか? [写真キャプション] θの大きなフック 簡単な話、刺そうとする力がハリ先に十分に伝わりにくくなってしまうわけです。 ところがフックってとてもおもしろいもので、必ずしもエントリーアングルθの大きいフックが悪いわけではありません。 まず、フッキングの力が十分に伝わりにくいなら、より大きな力でフッキングすればその問題は解決できるはずです。 それからエントリーアングルθが大きいことによるメリット。 それはハリ先がとにかく引っかかりやすいことにあります。エントリーアングルθが大きいということは、つまりハリ先が外側に開いているということですから、例えば魚の口の中で、どこかしらに引っかかる可能性が高くなるわけなんです。 また、より深く刺さっていこうとする傾向も見られます。