うちの凸凹―外科医と発達障害の3人姉弟―「分野によっては誰でもスーパーマン」を自覚しないと。
こんにちは。外科医ちっちです。うちの3人の子どもは、全員が自閉スペクトラム症の診断を受けており、いくつかの困りごとを抱えています。一緒に生活するうえで、「こんな発想でこんなことをしてしまうのか」と驚かされることもあれば、「こうとしか考えられないのか」と辛い思いをすることもあります。この連載では、軽度の発達障害のわが子の日常や、子育ての様子を徒然なるままに綴ります。世の中にはこんな「変わっている子」「変わっている人」もいることを、いろいろな方に広く知ってもらい、普段の生活に役立てていただきたいです。今日は、診断・立場を問わず大事だと思う「スーパーマンだと自覚する必要性」についての記事です。
「できること・できないこと」は人によって違う
どんな凹の能力の人でも、日常生活の中ではその人しかできないことがある。 これは「才能」の話ではなくて、たとえば身だしなみや、自分自身の気持ちの理解に関しては、そもそも周りの人ではできない・把握しようがない部分があるから。 親の立場でも同じ。子どもの得意・不得意の把握や、受け入れられやすいアプローチに関しては“世界一”になりやすい。 こういうことに関して、「自分はスーパーマンであること=他の人は同じようにはできない、全く同じ思考・質で代わってやってもらうこともできない」を自覚しておかないといけない。
多分、字で見ると『当然』と思う人が多いと思うのだけれど、実生活だと全く理解できていない、気付きすらしない様子を見ることが少なくない。 ついつい、自分でもできるのだからとか、口頭で伝えているのだからと思いがちだけれど、できることとできないことの違いはどんな立場・能力の人にもある。
逆も言えて、自分ができないことを他人が簡単にこなせることもある。こちらは勘違いされることは少なく、むしろ信じすぎの人が多い。
ものごとをうまく進めるための大前提
どちらも単純に事実なので、他人と話す時に意識しておかないと噛み合わなくなる。
「他人=自分とはできるできない、得意不得意が違う人」であって、