ナイター照明に革命を起こす可能性。内にも外にも眩しくないパナソニック「アウルビームER」
急速に普及が進んでいるLED照明。大型のスタジアムやアリーナ、球場などの照明がLEDに転換されていることは、すでにお伝えしてきた通りだ。しかし、中・小規模のスタジアムや公共のグラウンドには、従来のHID照明が多く残っている。 その置き換え需要に対応するため、照明器具大手のパナソニックは、新たなLED投光器を開発した。それが、光害抑制力に優れる「アウルビームER」。グラウンドから漏れる光がもたらす周囲の住宅などへの影響を抑制しながら、競技者が感じる眩しさを軽減、従来のLED照明以上の省エネ性も実現したのだ。
「寝室に光が差し込む…」競技場から漏れる光がもたらす光害
全国に1万6500箇所以上もある、中・小規模の競技場や学校のグラウンド。大型のスタジアムと比べるとサイズは小さいとはいえ母数が大きいゆえ、これらの照明をLED化することによる省エネ効果は大きい。 そういった場所に設置される投光器に求められるのが、近隣への光害対策だ。パナソニックが競技場の近隣に住む住民400人を対象に行ったアンケートによると、39%の人が「光漏れが気になったことがある」という。具体的な悩みとしては、家の寝室へ光が差し込む、漏れた光によって道路が眩しくなり安全性を損なう、といったものだ。
また、競技場の照明という性質上、その眩しさがスポーツのパフォーマンスを妨げることも防がねばならない。パナソニックによる競技者向けのアンケートでは、約40%の人が「照明の眩しさがプレーに影響したことがある」と回答している。 旧来の投光器が、これらの対策をとってこなかったわけではない。しかしそれは、遮光フードや遮光ルーバーといった、物理的に光を遮る手段によるものだった。これではフードやルーバーが遮るぶんの光も照らすため省エネ性が損なわれるうえ、器具の重量も増してしまう。そこで、新たな対策手法が求められていた。
旧来の投光器が抱えていた問題を「2つのレンズ」で一挙に解決
旧来の投光器が抱えていた問題を解決すべく、パナソニックは2つのレンズによる光の制御機構を開発、新製品のアウルビームERに搭載した。これにより、光害を防ぎながら省エネ性を最大化し、さらに競技場内のプレイヤーが感じる眩しさを軽減することが可能になるという。 アウルビームERは、上方向と下方向をそれぞれ照らす2種類のレンズを搭載。グラウンド内の十分な明るさを確保しつつ、外に漏れる光を最小限に抑えている。また、レンズによって人が眩しいと感じる角度の光を抑制しており、競技環境の改善にも寄与する。中小規模の競技場にとって、理想的な照明といえよう。