【Cycle*2024 パリ~ルーベ ファム:プレビュー】季節外れの夏日予報は「クラシックの女王」にさらなる過酷を強いるのか、無骨で非情なる石畳たちが待ち構える
「クラシックの女王」が、自転車の女王たちに門戸を開いて4年目。史上数々の伝説を演出してきた、無骨で非情なる石畳たちが、この春もパリ~ルーベ ファムにドラマチックな物語を約束する。 パリ~ルーベ ファム|Cycle*2024 第4回目となる今大会の全長148.5kmのルートは、1年前とほぼ同じ。つまり序盤20kmから逃げ出した一団によるスプリントを無印アリソン・ジャクソンが制したという、とてつもないサプライズを産み出した道のりだ。「上手く行ったものを、あえて変える必要はない」と、開催委員会は新たな衝撃を期待する。
エリザベス・ダイグナンが82kmを一人で突っ走った創設大会(116.4km)や、エリーザ・ロンゴボルギーニのやはり33kmの独走で幕を閉じた2年目(124.7km)に比べて、まず距離があきらかに長い。しかも石畳突入「前」のポジション争いタイムが伸びた。すっかりおなじみとなったドゥナンから走り出すと、まずは市街地を小さく2周回。さらには南へと大きく一回りし、51.5km地点で改めてドゥナンを通過してから、ようやく本物の「北の地獄」へと取り掛かるというわけだ。 アスファルトの上での緊張感が増した一方で、石畳セクター自体は4年前から変わらない。全17か所・全長29.2km。翌日の男子もやはり同じ17セクター(+12セクター)を通過するとは言え、残念ながらアランベールだけはいまだお預け。それでも名高いモンス・アン・ペヴェルと最終勝負地カルフール・ド・ラルブルが、最難関「5つ星」セクターとして女子選手の前に立ちはだかる。
第11セクター、すなわち7番目に通過する石畳路モンス・アン・ペヴェルは、フィニッシュまで約50kmに位置する戦略的要地。女子ルーベ最長、全長3kmのセクター途中には、厄介な2度の直角コーナーが待ち受ける。特に2つ目のコーナーは泥が多いことで知られている。 ライバルとの仁義なき攻撃合戦をかいくぐり、なにより幾多の不運を逃れた実力者たちを、第4セクターのカルフール・ド・ラルブルが最後のふるいにかける。全長2.1kmの長い石畳路は、ほぼ真ん中で左90度に曲がっている。前半は路面状況があまりにひどすぎて、後半は沿道につめかけたファンの数が多すぎて、いずれにせよとてつもなく厄介な代物である。
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