【Cycle*2024 パリ~ルーベ ファム:プレビュー】季節外れの夏日予報は「クラシックの女王」にさらなる過酷を強いるのか、無骨で非情なる石畳たちが待ち構える
カルフール・ド・ラルブルを抜ければ、ルーベの自転車競技場まで残すは15km。もちろん最後の最後まで勝負が決まらない場合は、セメントのバンクの上で、熾烈なファイナルスプリントが繰り広げられるのだ。 ちなみに2024年4月6日の土曜日、予想最高気温はなんと25度!また前日まで雨模様ではあるけれど、この日だけは晴れ。しかも南から突風混じりの強い風が吹付けるという。すると季節外れの夏日に、ドライとウェットの入り混じった路面を追い風に吹かれて爆走することになり……選手自身の体調管理だけでなく、補給やマテリアルの選択も極めて難しくなりそうだ。
晴れだろうが、雨だろうが関係なく、ご存知の通り、パリ~ルーベは難しい。必ずしも最強の選手が、栄光の石畳トロフィーを、天高く突き上げられるわけでもない。
それでもロッテ・コペッキーは、アルカンシェル姿での勝利を夢見る。前週のロンド・ファン・フラーンデレンWEこそ3連覇を逃したものの、ストラーデ・ビアンケ ドンネで2勝目と、悪路走行はお手の物。2大会前は2位に甘んじたルーベで、4度目の正直を果たしたい。周りを固めるのはSDワークス・プロタイムの頼もしいベテラン勢で、また今季ヘント~ウェヴェルヘムを筆頭にスプリント6勝と絶好調ロレーナ・ウィーベスも控えている。
ロード、トラック、シクロクロスで世界の頂点へ上り詰め、3大ツールのリーダージャージを着用し、去る3月27日にはなんとロード250勝目を挙げたマリアンヌ・フォスには、いまだこの伝説的レースのタイトルが足りない。第1回大会の2位で、女性版「カニバル」が満足できるはずはない。36歳のこの春、オムループ・ヘットニュースブラットとドワース・ドール・フラーンデレンという2つの石畳レースをさらい取り、シーズンで最も重要な石畳大戦に挑む準備は出来ている。
2年前の覇者にして、今季フランドル女王のロンゴボルギーニは、シーズン前から予定していた通り、ルーベをスキップしてアルデンヌに集中する。またチームメイトにして初代ルーベ女王ダイグナンは、ロンドでの落車骨折でルーベ欠場に追い込まれた。それでもリドル・トレックは元世界チャンピオンのエリザ・バルサモと2022年ルーベ3位ルシンダ・ブラントとで、優勝戦線に間違いなく絡んでくる。
【関連記事】
- 【Cycle*2024 ロンド・ファン・フラーンデレン:レビュー】20%超の激勾配コッペンベルグは今年もやはり伝説的、虹を纏うファンデルプールは混沌を切り抜ける術を持っていた
- 【Cycle*2024 ロンド・ファン・フラーンデレン:プレビュー】聖なる週間の締めくくり、北の大地で数々の受難を切り抜けてきた強者たちが真の王座を目指す
- 【Cycle*2024 ボルタ・ア・カタルーニャ:レビュー】タデイ・ポガチャル驚異の強さ! ステージ4勝と64年ぶりの大記録に「今が一番バイクとの時間を楽しめているかもしれない!」
- 【Cycle*2024 ミラノ~サンレモ:レビュー】大一番で機能した最強ホットライン 最終盤でマチューのアシストを受けたヤスペル・フィリプセンが「人生を変える」大勝利!
- 【Cycle*2024 ボルタ・ア・カタルーニャ:プレビュー】ポガチャル、クスらが参戦! どのステージも登坂力が問われるワールドツアー屈指の山岳ステージレース