完成した群馬の新クラブハウスに潜入! レジェンド細貝萌が語る新拠点の大きなメリット、J2最下位からの残留への覚悟
「間違いなく日本でトップレベル」
細貝といえば、ドイツのアウクスブルク、レバークーゼン、ヘルタ・ベルリン、シュツットガルト、トルコのブルサスポル、タイのブリーラム・ユナイテッド、バンコク・ユナイテッドなどでプレー。様々なクラブハウスを体験してきた。 「例えばベルリンだったらグラウンドが10面以上あるし、ピッチの下にはヒーターが入っていて冬は凍らないようになっていた。またトルコは選手ひとりにひとつの部屋が用意されていて、ホームの試合の時などは各自の部屋に泊まったりしていました。他にもレバークーゼンでは、スイッチひとつで深さを変えられる大きなプールがあったり。 そういうクラブハウスを経験してきましたが、このザスパの施設は本当に素晴らしい。新しいという面もあると思いますが、間違いなく日本でトップレベルですし、その分、これからクラブとしてより成長していかなくてはいけない。今はなかなか厳しい時期ですが、こういう施設でできる選手は幸せだなと感じています」 これまでチームは特に夏場は練習場を転々とし、食事を取る場所、その時間に困るなど、様々な課題を抱えていた。今回の新クラブハウス完成は、その意味で選手たちへの恩恵は大きいと細貝も話す。 「もちろんコンディション面もそうですし、選手たちのモチベーションを含めて、すごく恵まれた環境になったと思います。食事面もかなり大きいですよね。今までは練習を終えて『じゃあどこに食べに行こうか』と話していたのが、クラブハウスで食事を取れることによって、時間もそうですし、トレーニング後すぐにエネルギーを摂取できる。しかもバランスの取れた食事を提供してもらえる。それは長くサッカーをやっていくうえで必要なことで、当然、若い選手たちはそれで身体を作っていける。 今は練習を終えて身体のケアもしなくてはいけないので、マッサージなどを受けているとその間を補食でつなぐこともあったので、すぐに食べられるというのはやっぱり大きいですよ」 そして細貝はさらなる付加価値も強調する。 「こういう施設があるということで、やっぱりザスパの選手でやりたいというモチベーションにもなるでしょうし、ここが練習拠点になれば、駐車場なのか、グッズショップなのか、カフェなのか、食堂なのかアカデミーの子らとすれ違う機会が生まれると思うんです。そういう機会は若い選手たちにとってすごく大事で、例えばヘルタ・ベルリンではアカデミーの子たちがトップチームと同じ施設で練習していて、時間こそ違えど、少し端っこでトップチームの練習を見ている子たちがいました。 やっぱり子どもたちは選手とすれ違ったりすると、『あ、あの選手だ!!』となりますし、接点ができるのはすごく大事だと思います。改めてアカデミーの子たちがこのクラブのトップチームでやりたいと感じることは大切で、もちろんヨーロッパに行きたいとか、レアル、バルサに行きたいという子たちがいるのは当然ですが、そのステップとして、地元のクラブで活躍して欲しい。 今だってアカデミーの子たちは群馬出身の子が多いですし、地元出身としてそのままトップチームに上がってこられる、目指したくなるようなブランド力がないとダメだと思います。相乗効果ではないですが、良い関係性で、よりクラブが良い方向に進んでいくために間違いなくデメリットはありませんよね」