【山口県】2024 光市長選 光市議選 現職後継の芳岡氏初当選 木村、笹井氏「刷新」届かず 市議選は新人3人当選
「この恩は室積のために」 新見浩明候補
9年間室積コミュニティセンターに勤務した経験から、地域に根を張って活動してきた新見浩明候補(53)。 室積に構える選挙事務所で開票速報の1200票の数字を見て、支持者らは「よかった」と声を漏らした。 新見さんは「これまでと変わらず地域の皆さんの声を聞きながら、9年間の経験を活かして地域の発展のために尽くしていきたい」と改めて決意。「支えていただいた皆さんへの恩は光市、室積のために返していく」と感謝を告げた。
「市民と市議会、市役所をつなぐ」 井垣伸子候補
井垣伸子候補(69)は虹ケ浜の事務所で、女性中心の選挙運動を一緒に戦い抜いたスタッフや岡村晃治後援会長、支援した磯部登志恵県議と一緒に喜びを爆発させ、「市民の皆様と約束した通り、市民の皆様と市議会を結びつける、つなぐ人になります」と力強く語った。 関西学院大学名誉教授で、2年前に光市にUターン。磯部県議の勧めで出馬を決め、この日も午前2時過ぎの当選まで一緒に開票を見守った。選挙運動は自転車で回り、SNSも使って訴えた。
2024 光市長選 光市議選[記者解説] 対立候補の政策も取り入れる度量を 市議会は2期目以下が半数に
光市にとって16年ぶりの新市長は市役所で豊富な行政経験を積んだ芳岡統氏に決まった。市議選で選ばれた議員18人とともに、11月14日から4年間の任期が始まる。 市長選では市川熙市長の市政の「継承」か「刷新」かが問われた。市長が指名する後継者に、市議会の議長と副議長がともに挑むという前例のない構図になったが、芳岡氏が手堅く支持をまとめた。 市長選で政策論争が展開されたのは、市民にとって有益なことだった。とくに足踏み状態の光駅周辺整備計画では、芳岡氏が現在の市の取り組みの継承を主張するのに対して、木村氏は市役所本庁舎の駅前移転による活性化を提唱。笹井氏は事業費10億円で3年以内にバリアフリーを実現させると訴えた。 当選した芳岡氏は、たとえ対立候補が主張した政策であっても、現実性があるものや市民要望が強いものは、積極的に取り入れることを検討すべきではないか。光駅周辺整備に限らず、木村氏や笹井氏が掲げたさまざまな政策をしっかり吟味することも、新市長として必要なことに思えてならない。 市議会は新人3人の当選で、2期目の6人を加えると、実に定数18人の半数が2期目以下の議員で占められることになった。 勢力図の大きな変化はないと見られるが、芳岡新市長の「よく聞く、すぐ見る、とことん話す」をモットーとする市政運営とつかず離れずのベストな関係がどう構築できるかを市民は注視している。 (山上達也)