財前直見、意外すぎるバイク歴を披露 ヤマハの大型バイクを購入した理由とは
愛車を見せてもらえば、その人の人生が見えてくる。気になる人のクルマに隠されたエピソードをたずねるシリーズ。ついに記念すべき第50回を迎えた。前編では、俳優の財前直見さんが、かつて乗っていた大型バイクと久しぶりに再会! 【写真を見る】財前さんと元愛車との共演がカッコ良すぎる!(10枚)
新恋人が大型バイク!?
20数年前のことだ。当時バイク雑誌の編集者だった筆者は、とある写真週刊誌の記事を見つけて驚いた。その見出しにはこう書いてあった。 「ついに直撃、財前直見が本誌だけに披露した新恋人♡」 “新恋人”の文字の横には「VMAX」と、ルビが振ってあった。いま40代以上のバイク好きならご存知だろう、VMAX(ブイマックス)とは二輪メーカーのヤマハが1985年から2007年まで販売していた、1200ccの大型バイクだ。 その記事には、黒革の上下に身を包みVMAXに跨る、財前さんの写真が掲載されていた。まるでドラマか映画の撮影シーンのようなのだが、記事にはこの大型バイクが財前さんの愛車であり、これに乗るために大型二輪免許を取得した、と、書かれていた。あの有名俳優がバイクに!? しかも1200ccのブイマックスに!? と、驚いたのを覚えている。 「バイクの免許を取ったきっかけは、“馬に乗りたかったから”なんです。90年に出演した『天と地と』という映画の撮影で女騎馬隊長の役を演じてから乗馬をするようになって。小淵沢の乗馬クラブまで都内から2時間半ほどかけて行っていたりしたんですけど、それも大変だなと。するとある俳優さんから『バイクと馬は一緒。手はかかるけど面白いよ』と、勧められたんです。それまでバイクにはまったく興味がなかったけど、『そうなんだ、じゃあやってみようか』と」
馬に乗りたかった
財前さんは1985年、俳優デビュー。以来、現在まで、数々のテレビドラマや映画に主演、出演を続けてきた。写真週刊誌に記事が掲載されたのは2000年、財前さん主演の大ヒットドラマ『お水の花道』が放映された直後だ。多忙を極めていたに違いないこの時期に、バイクの免許のために教習所へ通っていたとは驚く。まわりからの反対はなかったのだろうか? 「事務所やマネージャーは心配していたかもしれないけど、私、あまり気にしない方だったんですよ(笑)。『おなじ事務所の反町(隆史)くんも乗っているじゃない~』、なんて言ったりして」 バイクに乗ろうと決め、雑誌などを見ていた財前さんは一台のバイクに目を惹かれた。それがヤマハのVMAXだ。VMAXは、オンロードスポーツバイクとアメリカンスタイルのクルーザーをかけ合わせたかのような、ドラッグレーサー的スタイルが特徴。1198cc水冷V型4気筒エンジンにヤマハ独自の機構「Vブーストシステム」を組み合わせ、当時の量販市販車世界最高の145psを発揮するという超高性能バイクだった。1985年のデビュー当時は、その排気量や出力が日本の規制に収まらなかったため輸出モデルとして製造され、主にアメリカやカナダで販売された。日本では逆輸入車として扱われ、1990年以降はディチューンされた日本国内仕様が登場した。 「見た目で『これがいい!』と、中免(普通二輪免許)が取れた時点でショップに行って予約しちゃいました。で、その足ですぐ大型二輪教習の申込みです。まわりの人からは『ムチャするな』とも言われたけど、『いいじゃん、これに乗りたいんだからって(笑)』。迷いはなかったですね」