吉岡しげ美さん「音楽詩」コンサート、俳優の小林綾子さんらと
歌人の与謝野晶子ら女性の詩歌に曲をつけ、ピアノの弾き語りを続ける音楽家、吉岡しげ美さん(75)のコンサート「The音楽詩」が26日、東京・有楽町の「I’M A SHOW(アイマショウ)」で開かれる。副題は「天空のデュエット~時を超えて~」。吉岡さんの歌と音楽に、俳優の小林綾子さん(52)らの朗読を交え、激動の時代を生きた女性たちの自由や平和を希求する思いをつむぐ。 吉岡さんは、与謝野晶子をはじめ、金子みすゞ、茨木のり子らの詩や万葉集、百人一首などの古典作品を題材に、オリジナル曲を創作し、活動の幅は海外にも広がる。 今回のステージでは晶子の「君死にたまふことなかれ」の曲を吉岡さんが歌うだけでなく、この詩を晶子の生誕の地である堺市の言葉にアレンジしたものを、小林さんが朗読する。「晶子が日露戦争の激戦地にいるであろう弟に思いをはせた反戦詩。さまざまな表現で伝えていきたい」と吉岡さんは話す。 みすゞの作品では、代表作の「私と小鳥と鈴と」など3作品を小林さんが朗読する。小林さんは大学を卒業した1995年にテレビ番組でみすゞを演じており、「弱いもの、小さなものにきちんと目を向けたみすゞは、私の中で、大きな存在」と言う。 当日は、俳優の金田賢一さん(63)も登場する。今年は吉岡さんの遠縁の画家で、32歳の若さで早世した難波田史男さんの没後50年にあたることから、難波田さんが生前に詠んだ詩を金田さんが朗読し、映像で絵画作品を紹介する。 「ウクライナやパレスチナ自治区ガザ地区などいまなお戦争の惨禍に苦しむ人々がいる。私自身、平和への気持ちを新たにしたい」と吉岡さんは語る。 午後3時開演。詳細は吉岡しげ美さんの公式サイト(https://shigemin.net/)。【明珍美紀】