視聴者本気でブチ切れ…名演技がハマり過ぎて大炎上の”悪役”俳優 (4)SNSで怒りの声も…嫌みな男を好演
ドラマや映画を見ていると「悪役」がハマりすぎて、嫌な気持ちになることがある。演じた俳優にとっては、たまったものではないが、見方を変えれば、演技に説得力があったということの証でもある。今回は「悪役」を見事に演じたことで視聴者からブーイングをくらった役者をセレクト。それぞれの演技の魅力に迫る。第4回。(文・shuya)
鈴鹿央士『ドラゴン桜』(2021)
近年、最も勢いのある俳優のひとりであると言っても過言ではない鈴鹿央士は、異色の経歴を持つ。有名な話だが、本格的な芸能界入りのきっかけを作ったのは、広瀬すず。映画のエキストラに参加していた時、広瀬に声をかけられたことがデビューのきっかけだと、鈴鹿は事あるごとに語っている。 2019年公開の映画『蜂蜜と遠雷』でスクリーンデビュー。以来、ドラマ、映画とフィールドを問わず八面六臂の活躍を見せている。 そんな、鈴鹿の名前を全国区にした作品が、ドラマ『ドラゴン桜』(2021、TBS系)だ。2005年に放送された伝説のドラマの続編である本作は、生徒役に鈴鹿の他にも、南沙良、平手友梨奈、髙橋海人など若手有望株をコンバート。前作と同じく「若手俳優の登竜門」としての性質も引き継いだ作品となっている。 個性豊かな生徒陣と阿部寛演じる桜木建二による丁々発止のやり取りが魅力の本作で鈴鹿が演じたのは、口がわるく、人を見下すような態度が目につく藤井遼。学年トップの学力の持ち主で、序盤はドラマを盛り上げるための必要悪である「嫌われ役」に徹し、お茶の間をヤキモキさせた。 鈴鹿はとあるバラエティ番組で本作が放送されていた当時を振り返り、嫌われ役を演じたことにより、SNSを通じて一般の視聴者から辛辣な意見をもらったことを明らかにしている。 鈴鹿の卓抜な演技力によって、一部の視聴者から心ない声も引き出した藤井というキャラクターだが、仲間との交流を深める過程で優しい心根が明らかになる。ドラマ終盤では、他校の生徒にバカにされた仲間を守るためにカラダを張るなど、見違えるような成長ぶりを発揮して、視聴者の心に灯をともした。 ドラマが成功するか否かの鍵を握る重要なキャラクターを見事に演じ切った鈴鹿のその後の活躍は周知のとおりだ。 (文・shuya)
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