穿けば品が出る“イージー”なあいつ!?

よく見ると強弱をつけるドローコードのストッパーにも〈グッチ〉のブランドロゴが印字されている。細部にも手を抜かないところに、ハイブランドのレガシーが生きる。29万1500円（グッチ／グッチ クライアントサービス）

メリカリという言葉をご存知？　某フリマアプリではもちろんない。この単語が転じてできたのが“メリハリ”。なぜ、言葉が変化したのか。まず、メリカリはもともと邦楽用語。低音を“減り（めり）”、高音を“甲（かり）”と呼んだ。減りは減るなど、会話で使われることがあるが、甲はあまりない。そんな言葉が時間をかけ、馴染みのある“張り”に変化。今では音の高低よりも、強弱や緩急をつけるという意味での使用頻度が高くなっている。 なるほど！　となったところで、メリハリをつけてファッションの話に。実は、穿くだけで着こなしに緩急がつくアイテムがあるんです。それが〈グッチ〉のイージーパンツ。楽だけど、ラフすぎに見えてしまうイージーパンツ。でも、全体に施された“GG”パターンと左膝に入ったウェブ ストライプが、その悩みを払拭。むしろあふれ出る品格が、きちんと感を演出してくれる。

左膝に入ったウェブ ストライプの裏側にはブランドロゴが。後ろ姿にも抜かりがないところも、さすがの心遣い

“GG”パターンも生地と同色だから、ワル目立ちの心配もなし。このさりげない遊び心が、大人が穿くべきパンツに存在を引き上げているのだ。 スポーティだけど品がある。まさにメリハリが効きすぎたこの1本。高低差がありすぎて、耳がキーンとなるかも⁉ ※雑誌『Safari』2月号より