《原材料費高騰の影響も》卵、乳製品、調味料…メーカー側の都合で本物そっくりに作られた「代替食品」「安価な食品」のリスク 見極めるための注意点
“みりん風調味料”には添加物の制限なし
“まがいもの”が紛れ込んでいるのは食品ばかりではない。物価が高騰するなか、いつもより少し安い調味料を選んだところ、それが添加物まみれのニセモノだったということもある。 食品表示アドバイザーで消費者問題研究所代表の垣田達哉さんが指摘する。 「もち米や米こうじ、蒸留酒などを原料に作られる本みりんは、酒税法上の酒類として販売されており、糖類以外の添加物は認められていません。 一方、『みりん風調味料』や『みりんタイプ調味料』と呼ばれる類似品は、アルコールが含まれていないことから酒税がかからず安価ですが、添加物に制限もない。多くの場合、グルタミン酸や酸味料といった添加物が使われています」 中戸川さんは、和食の基本である「だし」に潜むリスクに注意を促す。 「めんつゆや白だしなどの表示に、『○○エキス』と書かれていたら注意が必要です。表示されていなくても発がん性リスクがある『たんぱく加水分解物』が含まれていることがあります。これらは、ともにコクやうまみを感じさせる化学調味料の一種。『かつおぶし』や『こんぶ』などエキスと書かれていない商品か、より自然に近い『有機酵母エキス』と書かれてあるものを選ぶべきです」
安価なものは原材料表示を確認
「みそ」の中にも、化学調味料や添加物が多数加えられている商品がある。 「家庭でかつおやいりこからだしを取る習慣がなくなりつつあるいま、『液みそ』や『だし入りみそ』は手軽で便利ですが、それらには化学調味料や添加物が加えられていることがほとんどです」(中戸川さん) 食品の値段が上がり続けるいま、“ニセ食品”をつかまされず、賢く選ぶためには何が必要か。垣田さんは「とにかく原材料表示を注視すべき」と言う。 「市販品の場合、使用されている添加物は原材料表示の『/(スラッシュ)』以降に書かれている。より安価な類似品を購入する場合には、よく確認することをおすすめします。 なかでも気をつけてほしいのがアスパルテームやネオテーム、スクラロース、アセスルファムカリウムといった人工甘味料。最近の健康志向のなか、見せかけのカロリーを低く抑えるために使用されていますが、最新の研究では人工甘味料は体脂肪減少など長期的な体重管理には効果がないとされているどころか、発がん性すら指摘されている。さらに人工甘味料を過剰に摂取すると、2型糖尿病発症リスクが上昇するという研究結果もあります」 添加物以外にも危険因子は存在する。冒頭の大豆ミートは、材料に使用される大豆やとうもろこしに遺伝子組み換えのものが多く見受けられること。海外では、「代替肉は添加物たっぷりの超加工食品」という見方もある。 遺伝子を操作するゲノム編集技術を活用した「ゲノム編集養殖魚」も市場で注目を浴びているが、これも近未来の技術だと手放しで喜んではいけない。飼料の利用効率が上がることや、特定の性質を持つ種を安定的に“作れる”ことがメリットとされるが、抗生物質を大量に使っていることが指摘されるなど、“不自然な成育”による健康への影響ははっきりと解明されていないのだ。 「安かろう危うかろう」という商品を手に取ってしまうことがないよう、最善の注意が必要だ。 ※女性セブン2024年10月17日号
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