モスクワ国際映画祭グランプリ 浅野忠信「監督にも生意気な態度だった」
第36回モスクワ国際映画祭で最優秀作品賞(グランプリ)、最優秀男優賞のW受賞を果たした『私の男』で、主演の浅野忠信さん(40)、二階堂ふみ(19)が都内で会見を行った。熊切和嘉監督(39)は台湾からスカイプで会見に参加した。同映画祭で、日本作品がグランプリを獲得したのは、1999年の新藤兼人監督『生きたい』以来、日本人の最優秀男優賞は1983年の加藤嘉(神山征二郎監督『ふるさと』)以来の快挙。 浅野は「本当にとてもとても嬉しいです。長いことこの仕事をさせてもらって、こういう機会は本当にないので、嬉しいです」と笑顔をみせた。二階堂は「最初、受賞のお話を聞いたときは、とにかくこの作品が世界の人に認められてよかった、それだけでした」と、受賞への感想を話した。 浅野は、1983年以来、30年ぶりの最優秀男優賞の獲得。「監督にも生意気な態度をとっていたこともあった。スタッフへも強い態度だった。(その態度は)決して気分の良いものではなかったかもしれないが、この役に対しては、とことん向き合った。ムキになるくらい熱くならないと伝わらないものがあると噛み締めました」と、振り返った。 スカイプで参加した熊切監督は「聞いたときは、タクシーで移動中でしたが、大声でさけんでしまって、運転手が怪訝そうな顔でした。男優賞もうれしいです。でも(浅野は)獲るんじゃないかと思っていました。(15年ぶりの作品賞は)光栄だと思っていますし、覚悟をもって一本一本撮っていきたいと思う」と、気持ちを引き締めていた。 『私の男』は、災害で家族を失った10歳の少女(山田望叶、のちの二階堂ふみ)を、遠い親戚と名乗る男・腐野淳悟(浅野忠信)が引き取り、二人の複雑な愛の関係を描いた作品。今回のモスクワ国際映画祭だけでなく、第62回サン・セバスチャン国際映画祭(9月19日~9月27日)のサバルテギ部門、そしてアジア最大級の映画祭第19回釜山国際映画祭(10月2日~11日)にも出品が決まっている。 『私の男』 (C)2014『私の男』製作委員会 新宿ピカデリーほか全国公開中