年末年始のプロレス大決戦 2024年を振り返り昭和100年となる25年を占う
【柴田惣一のプロレス現在過去未来】
2024年から25年へ、干支も間もなく龍から蛇にバトンタッチ。昭和100年となる令和7年の幕が開ける。 【動画】2023.6.9両国国技館『ALL TOGETHER AGAIN 元気があれば何でもできる!』ダイジェストVTR 巨漢・吉江豊、横綱レスラー・曙、虎ハンター・小林邦昭、和製マットの魔術師・マイティ井上…思わぬ訃報など悲しいニュースもあった24年だが、リング上は熱い闘いが繰り広げられた。 24年のプロレス界の顔となったザック・セイバーJr。日本のプロレスに憧れ、ノアで経験を積み新日本プロレスで大きな華を咲かせた。G1クライマックス制覇、そしてIWGP世界ヘビー級王座を獲得し、日本プロレス界の頂点に立った。 ザックの快進撃は「今や日本は世界プロレス界の中心のひとつ」であること改めて証明してくれた。 世界中の若い選手が日本での修行を望んでやってくる。レベルの高い世界最高峰の闘いが展開されているリングがそこにある。 世界最大の団体、米WWEを目指すにしても日本修行がその近道。WWEのコーチ、スタッフにも日本マットのレベルの高さを知る者がいる。中邑真輔、多くの女子レスラーら日本人選手の活躍もあって、WWEも新日本プロレスら日本の団体の存在感を認めているはず。 ノアへの感謝を隠さず、新日本へのリスペクトそして新日本で闘っているプライドを公言する。ザックの言動こそ、世界のプロレス界の現状そのものだろう。 全日本プロレスでは若武者・安齊勇馬が一気に三冠王者となった。全日本の諸先輩たちが手こずった外敵・中嶋勝彦から歴史と伝統が詰まったベルトを取り返した。 正真正銘のイケメン、今どきの若者らしいファッション…令和の女性ファンのハートをつかんで離さない。三冠王座を失ったが「安齊ショック」は確実に全日本の流れを変えた。もちろん良い方向である。全日本らしい怪物ぶりを発揮する斉藤兄弟の快進撃もあり、全日本は上昇気流に乗った。 ノアも若武者エース・清宮海斗が3度目のGHCヘビー級王座に就いた。過去、二度の戴冠で学んだチャンピオンの流儀にさらに磨きをかけていたが、ここにきてOZAWAの乱にさらされている。 暴露、暴言を連発するOZAWAに苦戦しているが「彼女との同棲」を認めるなど、一皮むけた。等身大で親近感を覚えたという声も多く、女性ファンに加えて男性ファンの支持率が上がっていくのではないか。そしてOZAWAの反逆にただ手をこまねいているだけの清宮ではない。逆襲のファイトに出るだろう。 大日本プロレスでは神谷英慶が初のストロング、デスマッチ両部門の王座を同時戴冠する偉業を成し遂げた。常に前に進む真っ向勝負のファイトスタイルで「ゴー、ゴー、ゴーだぜ」と決め台詞の勢いが止まらない。 米AEWとDDTの2団体所属で日米を股に掛けたKONOSUKE TAKESHITA、DDTを守る上野勇希、ドラゴンゲートをけん引するYAMATO…24年の日本プロレス界は多士済々。多くの団体が充実したファイトを展開した。 新団体マリーゴールドの誕生で活気づいた女子プロレス界。ネット配信ドラマ「極悪女王」の大ヒットで昭和の全日本女子プロレスが再注目され、ますます女子プロ人気に火がついている。 24年の大晦日を飾る全日本の東京・代々木大会では三冠王者・デイビーボーイ・スミス・ジュニアに斉藤ジュンが挑戦する。世界タッグ王座に加えて五冠王のチャンスに斉藤兄弟の兄は意気込む。斉藤兄弟の快挙で新たな年を迎えることになるのか? 24年の締めくくりバトルから目を離せない。 25年はノアの元日決戦で幕を開ける。GHC王者・清宮にOZAWAが挑むが、あの手この手を駆使するOZAWAの暴露王流ファイトが気になる。結果によってはOZAWAのキバは他の選手に向くこともあるだけに、ノア戦士たちも気が気ではないだろう。 新日本の東京ドームは1・4、1・5の2連戦。1・4のメインイベントでIWGP世界王者・ザックの首を狙う海野翔太に期待がかかる。 12・18埼玉・所沢大会、12・19山形大会、12・21栃木・宇都宮大会とザック組とのタッグ対決で、直接勝利はならなかったが、見事に3連勝。「クリエイト・ア・パラダイムシフト」で大会を締めくくった。 12・22東京・後楽園ホール大会のタッグ対決ではパートナーの棚橋弘至がザックに押さえ込まれたたものの「負けるものか」と決意を新たにしている。 全日本、ノアの様に世代交代が今一つ進まない新日本。最前線で奮闘しているが、頂点にはいまだ届いていない海野が、25年の命運を握っているのは間違いない。もちろん今春のNEW JAPAN CUPを制した辻陽太も黙っていないだろう。 25年も新春早々、注目のビッグマッチが目白押しの日本マット界。どんな名勝負が生まれるのか。新たなスターが誕生するのか。目が離せない。(文中敬称略)
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